第三十六話 ページ37
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そこでサンドウィッチを全て食べ終わった
ミライドンが光を纏う。
「うわっ…！…？なんかこいつパワーアップしてねぇか？」
「ギャッス！！」
『良かったねミライドン』
前世の記憶があるならスパイス入りのサンドウィッチで力が戻ることは覚えているだろう。
機嫌良さげに近寄ってきたが、腕を見てしょんぼりした。
待ってこれ、せっかく力戻ったのに乗せてくれないとかないよね。
「……もしかしてミライドンがその怪我の原因なのか？」
『違います。この子は悪くありません。』
ちゃんと訂正したが納得がいっていない様子だったので、渋々経緯を説明した。
話し終えるとペパーが頭を抱える。
「食事摂らなさ過ぎて骨脆くなってんじゃねぇか！」
「アギャ…」
『たまたまヒビが入っただけですよ。
だからミライドン、今度は乗せてよね。』
「ギャギャッッ！！」
『嫌か、そうか…』
全力で拒否られた。ちょっと悲しい。
滑空取り戻したら乗せてくれるようになるかな。
「やっぱ少しは食べないとやばいちゃんだろ。だから、」
『…貴方には関係無いと言って』
「だから！」
『…！！』
ペパーの言葉を遮るようにまた突き放そうとしたが、
彼は気にすることなく言葉を続けた。
そしてテーブルから何か持ってくる。
「ん」
『…何ですかこれ』
「あまスパイスを入れたスムージードリンクだ。」
『………』
「あん時も渡そうとしたけど、お前話聞かねぇから…
スパイス入れて新しく作り直したんだ。」
あの時とは、今朝のことだろうか。
その時も作ってた？私のために？
『＿＿なんで』
「？なんか言ったか？」
『……いえ、なにも』
「…？おう。んでさ、食感が粘土みたいで食べたくないって言ってたろ？だからドリンクならまだいけるかなって思ったんだよ。スムージーならジュースより栄養あるし、今ならスパイスも入ってておトクちゃんだぜ！」
ぼそりと言った言葉は彼には聞こえなかったようだった。不思議そうにしながらも、これならいけるだろと笑顔でボトルを渡してくる。
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ぐるぐるとそんなことを考えるのに、自分の両手は素直にそれを受け取った。
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作者名：瑠璃 | 作成日時：2022年12月18日 21時
