第三十三話 ページ34
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面倒だから放置でもいいけど、そしたら悪化して骨が変形するんだよね。経験済みである。
そっちの方が面倒な事になるので今のうちに応急処置をしておく。
まあ感覚的に骨折じゃなくて少しヒビが入った程度なので、病院には行かなくてもいいだろう。
一応今度街に寄った時にギプスでも買ってちゃんとした
固定しようかな。
次の予定を考えていると、目の前にデカいカニが視界に入った。ヌシポケモンのガケガニだ。
ガケガニはこちらに気付いたかと思うと、崖を伝って逃げていく。いや逃げられると困るんだけど。
ここで一回戦わないのか。
ミライドンを戻し、代わりにニャローテをボールから出して追いかける。
「……ニャーォ」
『何だよ、早く行くぞ』
途中ニャローテに腕をジト目で見られたが、ほら早くと
急かした。
そういえばヌシポケモンに会ったら連絡するって言ってたな。……別に倒してからでもいいか。
ペパーはスパイスが欲しいだけだ。ヌシポケモンくらい
私だけで事足りる。
だいぶ逃げられて結構な距離を走ることになったが、
ようやく追いつく。
多分ミライドンで崖を降りれたら一気に追いついたと思うんだよね。今乗せてくれないけど。
ヌシは壁の一部を壊し、穴の奥から大きなスパイスを
取り出して食べ始めた。
「あれが岩壁のヌシか！？」
『……！！』
後ろから声が聞こえ驚く。なんでこの人はいつも後ろから現れるんだ。
「デカすぎんだろ…！スパイス食って強くなってんのか…っておいそれどうした！？」
『少し油断しただけです。見た目ほど大した怪我ではありませんから。』
「いや…」
『そんなことより、来ますよ』
やっぱり吊ったら大怪我に見られるよな。
そこまで重症じゃないから気にせずほっといてほしいんだけど。
私の腕が気になるようだったが、ガケガニが戦闘態勢に入ったので前を向き、ペパーもシェルダーを繰り出した。
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作者名：瑠璃 | 作成日時：2022年12月18日 21時
