第二十九話 ページ30
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一度乗っておくかとミライドンに乗ると形態が変化した。
まあ前世の記憶あるしできるとは思ってたよ。
「おー！すごい！ミライドンと一緒ならどこへでも行けそうだね！」
「ふん…どうだかな。それよりA。」
『はい？』
「お前あれから飯…」
『そうだネモ』
余計なことを言いそうなペパーの言葉を遮り、ミライドンの背から降りながらネモに話しかけた。
変化したミライドンにキラキラとした目を向けていたネモはさっきまでのやり取りを聞いていなかったらしく、
なに？と首を傾げる。
『先にジム巡りしててくれないかな？私も後から追いつくから。』
「！ジム巡りしてくれるの！？やったー！じゃあ先に
行ってポケモン鍛えてるね！！」
うん。と返事をして東門に走って行くネモに
手を振った。
後ろから強い視線を感じつつも、ミライドンを撫でて
気付かないふりをする。
「……生徒会長は知らないのか？」
『わざわざ言うことでもないですから。』
「………」
A。と名前を呼ばれる。
呼ばれたし流石に視線が痛いので彼の方を向く。
厳しい目付きでこちらを見るペパーに居心地が悪く笑顔のまま視線を横に逸らしてしまう。
「相変わらず顔色が悪い。あれからちゃんと食ってねぇな？」
『食べてますよ。』
「嘘つけ、ミライドンが首振ってんぞ。」
『ミライドン…』
何してんだと後ろの彼をジト目で見るが同じような目
で返された。
それじゃ私がどう頑張っても隠せないじゃないか。
「あれ以来一回も来なかったな。」
『まぁ、色々と忙しかったので。』
「昼も来れないほどじゃねぇだろ。」
『教室で食べてたんですよ。それに多少抜いても
生活に支障はありません。』
「そんな血色悪い顔で何言ってんだよ。元々白いのもあるだろうけど明らかに青白いぜ。」
それはネモや先生たちにも言われた。
元々貧血気味なんだと誤魔化したが。
グッ、と帽子のつばを掴む。
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作者名：瑠璃 | 作成日時：2022年12月18日 21時
