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紫side



『…んっ』


重い瞼を開けた。


あれ、ここどこ?


周りを見渡しても、誰も居ない。


さっきまで……何してたっけ…あはは……


周りの背景からして、ここは城の中だ。



?「パパー!」



後ろから、小さな男の子が走ってきた。


その子の向かう方向へ目線を変えた。



『……っ!?』



その先には、もう亡 くなったはずの父がいた。


もしかしたら、これは過去かもしれない。


いや、過去だ。


そして、あの男の子はきっと俺だ。


でも、1つだけ違うところがある。



『髪……茶色だったっけ? 』



今の俺は、完全な紫だ。


なのに、目の前にいる俺の幼い姿は違った。



父「ななもり。も立派な大人になるんだぞ?」


な「うん!俺、沢山の人をパパみたいに救うんだ!!」


?「だってよ〜ww 」


?「ちょ、やめなよwww」



後ろから、聞いたことのある声がした。


振り返ると今でも仲の良い2人がいた。


そして、その後ろには母さんが居た。



母さんと父さんは、昔からこの世界を救う魔法使いだった。


母さんは、よく時を操る魔法を使っていた。


父さんは、誰も何も言えないほどの全ての魔法を使いこなしてた。


俺は、昔から沢山の人を幸せにする父さんが大好きだった。



『懐かしいな……』



そう呟いた時だ。


城の周りを暗い光が囲み始めた。



父「な、なんだ!?」


母「ダメよ!魔力も使えないわ…っ。」


な「怖いよ……怖い…っ」


さ「だ、大丈夫だって。」


ジ「大丈夫なの?」



そして、その光は家族を取り囲んだ。


なんだろ……嫌な予感がする。



母「ついに来てしまったのね…」


な「母…さん?」



母さんは、俺の前でしゃがんでは話した。



母「母さんと父さんはね、昔悪い人と契約しちゃったの。」


な「けーやく?」


父「そう。ななもりは、私達にとって奇跡の子だったんだ。」


さ「奇跡?」


父「父さんと母さんの魔法だけでつくった子なんだ。」



え、じゃあ俺は母さんのお腹から生まれてないわけ?



母「ななもりは、誰もが欲しがった子なの…。それで、魔王様にね取られそうにもなったのよ」


父「そこで、契約をしなければななもりを救えなかったんだ。」


ジ「え……じゃあその契約って…」



母さんと父さんは切ない目をして言ったんだ。



母「私達が魔王様に全てを捧げなくちゃいけないの。」

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作者名: | 作成日時:2020年11月2日 22時

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