ボーダー？ネイバー？なんだそれ【3】

136 ページ36

『太宰、太宰太宰太宰…！』

太宰「私は此処にいるよ」

『死んでも尚1人かと思ったじゃないか馬鹿！分かってたくせに！』

（一人称）の顔はぐしゃぐしゃだ

太宰という、かけがえのない存在ができたのに、（一人称）の隣にはいなかったから

太宰「まぁまぁ、こうして出会えたのだからいいじゃないか」

『だからとて（一人称）が許すとでも？』

太宰「これは手厳しい」

こんなことをしていて一体どのくらい経ったのだろうか

『出口は何処だろう…』

太宰「探しに行くかい？私たちにはもう時間なんてものは無いんだ。ゆっくり行こう」

太宰が差し出してきた手を握って歩く

『此処は何処なんだろうな』

太宰「天国と言えるほど華やかというかでは無いし、地獄と言えるほど残酷な場所では無い。狭間、と言うべきか」

『地獄に堕ちると思ったんだがな』

（一人称）たちは何人も、何百人も人を殺した

審判も受ける間もなく地獄に堕とされると思っていた

137→←135

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す