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「店長さん。もう少し、探してからにしませんか?」


私がそう声をかけると、店長さんは呆れた表情を浮かべた。

「でも_「たしかに!今ここで連絡したらあの子の為にもなります。いくらここに来てるとはいえ誘拐されないとはいえない」…」


私はおそ松くんの表情を見た。
あの時、おそ松くんはちゃんと「カラ松」と呼んだ。

きっと知ってる。

例えおそ松さんの世界を覚えていても…否、覚えていないとしても、カラ松のことは知っている。


だから彼の名前を呼んだ。



「おそ松くんは、カラ松くんのこと知ってるんだよね?」

「…うん」

「おそ松くんは、カラ松くんの事が大切なんだよね?」

おそ松くんは視線をこちらに合わせ、こくんと頷いた。
それなら、保護者として私がすることは一つ。




「彼は、彼は私が預かります。なので、まだ電話しないでください」

出先で会って自分の子と仲良くなったから預かりたいっていう理由なら筋が通る気がするし。


私がそう言って店長さんを見つめると、降参と言いたそうな表情でスマホをしまった。


「まったく。アンタは変な所で頑固になるんだから」

「えへへ。ありがとうございます」

よかった。これでひとまずは何とかなりそう。

あとはおそ松くんにカラ松くんを見つけてもらって流れに任せるだけだ。


そう思っていると店長さんは指を出して私の鼻を押した。


「但し!1時間だけね?1時間過ぎたら流石に連絡するから」

「わ、分かりました!」
「俺も一応探すの手伝うから。手分けしましょ」
「はい!」


店長さんは1番下の階から探すということで別れ、私たちはまだこの階にいるかもということでそのまま探すことになった。


場所を移動しようと足を動かすと、おそ松くんが服の裾を引っ張った。




「ありがとな。A」

ふぁっ!!?

ファンサですか!?
走って去っていくおそ松くんの背中を見る。



アレで小学生って、ませてるよなぁ。

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作者名:(▽)chocolate_tea | 作成日時:2023年9月2日 18時

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