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「えーと、えーと。
私はね、君よりも少し小さい頃にね。

君のお母さんに仲良くさせてもらってたんだ」


そう言うとおそま__男の子は目をぱちくりさせた。


「昔のかあさんのこと、知ってるのか?」

「うん!」

嘘ですあんまり知りませんごめんなさい。


「とっても笑顔が素敵な人だったよ。
君のお母さんは凄く優しくて、キラキラしてた」

「へへへっ、そうだろ!
オレの母さんはやさしくて、かわいくて、そんでもってめちゃくちゃきれいなんだ!」


わーーー!鼻の下を指で擦るやつだー!!
可愛い。本家可愛い。

尊い!!!


「でも…母さん。いなくなっちゃった」

いやぁーーー!!泣いちゃったーー!
や、やべぇよ。

泣かせちゃったよ!


本当に私って馬鹿。推しを泣かすなんてなんてことしてくれたんだよ。


「うッ〜、ひっぐ、うぅ〜〜〜ッ。
しかもおれ、しせつにいれられるんだろ?

そしたら、こことはべつのばしょに行くことになるだろ?


そうなったら、おれ、かあさんとあえなくなっちゃうー!!!」



なんだ。
なんなんだこの天使は。


いやごめん。
まじで

まじで最低なこと思うけどさ、


可愛い。可愛すぎる。

推しが可愛い。
子どもなこともあって尚更可愛い。


「しかも、しせつってさ。ほかのこどももいるだろ?
そしたらおれだけじゃないじゃん?

おれ、
おれもっとおれにだけあいがほしい!

もっとおれにだけにあいしてほしい!!

おれだけをやしなってほしい!!!」


おそ松兄さんだ!
独り占めしたい兄さんだ!!

どうせそれが本音なんだろ可愛いなぁ!


「じゃあさ。お姉さんの所に来る?」
お姉さんおそ松持って帰りたいわ。

「おねえさんの、とこ?」

あっ、やべ。つい本音が。


時すでに遅し、そんなこと言われるとは思ってなかったのか。おそ松兄さんの涙腺が崩壊した。



「いいの?」

「もちろん。たくさんの愛を、おそ松くんにあげるよ」
えっ、逆にいいんですか?
逆にいいんですか?

こんなに!?可愛い子を!?

持ち帰っていいんですか!!!!?


「じゃあ、おれ。おねえさんのとこにいく!!」

そう言うと、彼は私の胸の中に飛び込んできた。

すげぇよ。
腕の中に収まるなんてすげぇよ。

暖かい。

生きてる…。


私はおそ松兄さんの頭をポンポンと撫でた。

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作者名:(▽)chocolate_tea | 作成日時:2023年9月2日 18時

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