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「何渡されたアルカ?」
「わかんない、ただの白い封筒だけど...」
何も言わずに去ったから何も聞けなかった。
せめて、名前くらいは名乗って欲しかったなあ。
そう考えながら手紙を弄っていれば、
神楽が目を輝かせて(?)こちらを見てきた。
※グルグル眼鏡のためAの予想です
「A、それはきっとこくはくってやつネ!」
「へえ...」
幼稚園の頃の私なら誰からであろうと、
喜んでいたかもしれないが、
今は晋助がいる。
特に知らない男子になんて、興味は微塵もない。
───
「私、付き合ってる人がいるから...ごめん」
「そ、そんなぁ...」
放課後、白い封筒(手紙)に書いてあったとおり、
第2校舎裏まで来れば、差出人の男子はそこにいた。
こないことも考えたが、
流石にそれはかわいそうだなあ、と。
流石にそれは冷たすぎるかなあ、と。
思ったのでちゃんと来た。
お妙には楽しそうに「どちらを選ぶの?」
なんて聞かれたが、私は晋助以外考えられない。
「彼氏より、僕は魅力がないですか...」
そんな風に言われるのは、私は好きじゃないかな。
「Aさんは、僕より彼氏をとるんですか...」
‘僕’以前にあなた誰ですか。←
「僕がAさんの1番になったら駄目ですか...!」
泣きそうな顔で私の腕を掴む。
子犬みたいな耳やら見えるなあ
なんて呑気に考えていればメリッと悲鳴をあげる私の腕。
剥がそうとしても、彼の手は離れそうにない...。
「僕の物にならない君なんて...いらないんだっ!」
私は別に誰の物ってわけじゃない。
そして、誰かの物になりたいとは思わない。
恋人に「お前は俺の物」と言われても納得いかない。
でも...
だけど...
...晋助の物にはなっていいから助けてよ、晋助__
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作者名:煎餅 | 作成日時:2019年6月16日 20時