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「ありがとネ、ところでお前誰アルか?」
買ってあげようか、なんて聞いた時は疑いの目を向けられたが、私もここで買うものがあり、ただのついでだとでも言えば「ツンデレだナお前」と言って素直に奢らせてくれた。
私について聞かれたことに関しては名前だけ名乗っておく。「春雨第5師団団長です」と言って通報でもされたらたまったもんじゃない。私があのアホ提督に怒られる結果になってしまう。そんなのごめんだ。
「何かお礼させてヨ」
「別に、ただのたまたまだし」
たまたまというよりは、神威に似ていてどこか放っておけないのが理由だが。
それに、私が地球に来たのは仕事上、江戸の平和を一応守っているらしい真選組を観察するためなのだ。遊んでいる暇などない。せめて終わったあとがいい。
「なら、私はこれから用事があるから、その後ならいい?」
「わかったアル。その用事が終わったら万事屋来るヨロシ」
「万事屋?」と聞けば「なんでも屋のことヨ」と答えてくれた。そこでこの酢昆布娘は働いてるらしい。
「絶対来るアルヨ〜」と言って、大きな白い犬に乗って酢昆布は去っていった。...酢昆布を咥えて。それに手を振り、片山を待つ。そこで忘れていたことがあるのに気づいた。
_____酢昆布娘の名前聞くの忘れたや。
まあ、別に行けば分かるだろう。など考えていれば片山が戻ってきていた。
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作者名:煎餅 | 作成日時:2019年5月24日 20時