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くじ引きで決まったのは片山という、第5師団に所属している忍の1人。ついでにいうと、第5師団の3分の2は忍だ。なぜか。
「団長、真選組ってとこにいくんですよね?」
「その真選組と鬼兵隊を見張るのが私達の役目」
そう言えば、片山は「忍の出番ってわけですか!」と大張り切りの様子だ。でも確かに、忍の素早さなどは見張りには丁度いい。実際、私よりも素早いし。
そう考えると素早さは忍の中でもよトップクラスの片山を連れてきて正解だ。片山に真選組の情報、そして様子を見てきて欲しいと頼み、別れた。
そして1人で久しぶりに江戸の町を歩く。私の顔は一部の人間にしか割れていないため、変装などをしなくても大丈夫だ。...たぶん。
「おばちゃん、酢昆布くれアル」
「金はちゃんとあるのかい?」
「これで勘弁してヨ」
「これじゃ、全然足りやしないよ」
ふと、歩いているとそんな会話が聞こえてきた。1人の女の子が酢昆布を買おうとしているような会話だ。
少しの好奇心で酢昆布娘のいる小さな売店を見てみれば、神威と同じ髪色をしたチャイナ服の傘を持った子がいた。おそらくその子が酢昆布娘なんだろうが。
_____仕方がない、買ってやるか。
酢昆布なんて、そこまでお金はかからないだろうし。なにより神威に雰囲気まで似てるため、酢昆布を安易にほっとけるほど私は冷めた人間ではないのだ。
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作者名:煎餅 | 作成日時:2019年5月24日 20時