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タクシーを運転しながら片山へは無線をこちらでも聴けるように頼む。幼い頃は犯罪を犯すことに抵抗はあったが、今はもうない。春雨にいる時点で手遅れだ。
「団長、真選組の無線に繋げられました」
「よし、流して」
流してみれば、聞こえてきたのは万事屋にいた銀髪の声だ。最後には土方十四郎と名乗っていたが間違いない。
片山に列車に乗っている様子を映像でパソコンに出しえもらえば栗色の髪をした奴が近藤を連れ出しているところだった。
_____鬼兵隊は伊東を使って真選組の目を背くついでに潰してしまおうという算段なのね。
だけど、それも上手くいくだろうか。無線で銀髪は土方の名を名乗り、真選組屯所にいる隊士達を列車へ向かわせてきている。そう簡単には行かなくなった。
「え、団長...、なんでこんな複雑な道を行くんですかァァ!!」
「うるさい。喋ってると舌噛むよ」
「なんかデジャヴですね...って痛っ!?」
「うるさい」
結局片山は舌を噛んでしまった。
私が丘らしきものを登っているのは上から全体の様子を見るため、そして後からくる近藤派の隊士達から逃げるため。
そして上から眺めていれば鬼兵隊が列車の隣を走っている。
「あの1番前をバイクで走ってるのは鬼兵隊幹部“人斬り 河上万斉”です」
その河上とやらを眺めていれば後方では大きな爆発が起きていた。
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作者名:煎餅 | 作成日時:2019年5月24日 20時