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喫茶に入り、取り敢えず珈琲を頼む。神楽に何を食べるか聞けば「あの大食い、私チャレンジしたいアル」と店員に言って、大量のラーメンを頼んでいた。
「Aは珈琲だけでいいアルか?何か食べたい物あれば頼むヨロシ!ちゃんと私にお礼させてヨ」
そう言った神楽の頭を撫でてやれば、また嬉しそうな顔をした。神楽のその気持ちだけで十分と言えば、納得いかない顔をしたが、「わかったアル」と一応頷いてくれた。
「神楽は夜兎なのか?」
「Aは博識アルな!」
そう言って神楽は運ばれてきた大盛りラーメンを飲み始める。
「ちゃんと噛まないと喉に詰まるぞ」
「でも時間がかかるネ」
「時間が過ぎたら奢ってやるから噛みなさい」と言ったら渋々少しは噛むようにしてくれた。
「そうしたらお礼じゃなくなるネ」と悲しそうな表情をしたが、さっきも言った通り、神楽の気持ちだけで十分だ。それに、神楽と過ごす時間はとても楽しい。妹が出来たみたいで、心地良い。
「A!私Aにちゃんとお礼したいヨ!」
「酢昆布だけでそこまでしなくて大丈夫。お礼がして欲しくて奢ったわけじゃないし」
そう言えば、神楽は「じゃあ、また一緒に遊ぶアル」と言ってくれた。それに対して私は「約束ね」と言って、2人で指切りげんまんをした。
その後は神楽からかぶき町や“銀ちゃん”や“新八”の万事屋メンバーの話を聞いたりして別れた。
指切りげんまんをしたのは2回目だ。今度の約束は、ちゃんと守るからね、神楽。と言っても、神楽とは初めての約束か。
_____久々にリラックスして過ごせたなあ。
そう思い、和やかな気持ちでいたが、帰れば書類が待っているのを考えればゾッとしてまった。
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作者名:煎餅 | 作成日時:2019年5月24日 20時