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瀬尾がそう言えば笑って頷いて伸びをした先生は私の方を見た。
柊「手を出すなって意味だったんだけどねぇ?」
『……分かってたよ』
だよな?って眉を上げて聞いてくるけど、私には無理だった。
『私は弱いから。弱くて、臆病だから、見て見ぬふりはできなかった。……ねぇ、もしさくらが間に合わなかったら?どうしてたの?』
柊「そのまま死んだんだろうな」
『…生徒のためだって、分かってる。でも、怖かった…』
さっきやっと止まりかけたのにまたボロボロ溢れてくる涙を止めることが出来なくて。
『っ、死ななくて、良かった、』
もうこれ以上、誰かが死ぬのは嫌だ。
フラフラと先生は立ち上がって私の目の前に来た。
柊「……許せよ、甲斐」
甲斐「は────────」
ふわりと、いつもと違う、全く知らない腕の中に私はいつの間にかいた。
柊「俺もお前にそのままそっくり返すよ」
『え、?』
柊「──────────お前が死ななくて、良かった」
『っ、』
嗚咽が溢れるくらいに涙が止まってくれなくて、今にも壊れてしまいそうな先生にしがみついて今度は私がわんわん泣く。
甲斐「……おいっ、」
しばらくは許してくれてたけどいつまで経っても私が先生のことをぎゅーして離れないから怒ってる。
いやだっていつ離れればいいのかわかんなくなっちゃって…
甲斐「ったく…」
泣くなよって涙を拭ってくれる隼人に思いっきり抱き着く。
甲斐「おわっ、…おい笑」
柊「ははっ」
そんな私達をまるで親のような優しい目で見つめた先生はへりに腰掛けた。
柊「……死ぬのは、怖いなぁ」
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Lemon!?(プロフ) - こんなに素敵な作品を作っていただいてありがとうございました!!号泣してしまいました(笑)ストーリー性とか人間らしさとか夢主ちゃんがしっかり思いを伝える所とか命の大切さとか、この作品で様々なものを学ばしていただきました!本当にありがとうございました!! (2022年9月18日 6時) (レス) @page49 id: 1d8fe9d267 (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - ありがとうございました!ずーっと号泣してました笑この話を見てドラマを思い出しましたこの小説をいろんな人に見て読んでもらいたいと思いますこの小説を見たら誹謗中傷がどれだけ最悪のことかその一言でどれだけ人を傷つけているかわかるのでみんなに読んでほしいです (2020年11月30日 1時) (レス) id: 15fe2f62ff (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - ありがとうございました!ずーっと号泣してました笑この話を見てドラマを思い出しましたこの小説をいろんな人に見て読んでもらいたいと思いますこの小説を見たら誹謗中傷がどれだけ最悪のことかその一言でどれだけ人を傷つけているかわかるのでみんなに読んでほしいです (2020年11月30日 1時) (レス) id: 15fe2f62ff (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - 素敵な小説をありがとうございました!お疲れ様でした、これからも他の小説更新など頑張ってください!長文失礼しました! (2019年3月26日 16時) (レス) id: db7ab848e3 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - 完結おめでとうございます!終わってしまうのが本当に寂しく、、最後の最後まで泣かせていただきました!そして、最後に申し訳有りません、、あとがきの前のラストページの最後の()内、闇へようこそ、が 闇へようそこ になってましたよ! (2019年3月26日 16時) (レス) id: db7ab848e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2019年3月3日 19時