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( A side )
みんなが寝静まる中、目を閉じるけれど中々寝れなくてずっと考える。
さくらが澪ちゃんの手を離したから、澪ちゃんが死んだ?
本当にそうなの?もしそれが本当だったら先生はこんな事件を起こした?
諏訪「……A、」
起きてるでしょって、ものすごく小さな声で私に呼びかけた唯月の声に頷く。
そっと私の腕を掴んで立ち上がらせた唯月は一旦廊下へと連れて行った。
瓦礫の前に佇むと唯月はブレザーのポケットに手を突っ込んだ。
諏訪「……今日で私達、解放されるんだよね」
『そう、だね』
諏訪「今までで一番濃い10日間だった。」
『……うん』
諏訪「今までで一番、Aの事を考えて過ごした10日間だった。」
唯月が何を言いたいのか分からなくて唯月の方を向く。
諏訪「きっと今、Aは、どうしていいかわかんないんだよね」
『……え、』
諏訪「確かにぶっきーの言った“グッ、クルッ、パッ”は大切だよ。大切だけど、たまにはいいんじゃない?」
私の方を見て綺麗に笑った唯月は私を見上げた。
諏訪「思ったこと、言ってみようよ」
私にだけでもいいから。
そう呟いた唯月に、心の中の黒い物が少しだけ溶ける。
『……澪ちゃんが死んじゃったのは、先生が言ったようにSNSのせいってことは、分かってる』
諏訪「うん」
『私は、何ができたんだろうって』
ずっと思ってた。SNSが原因で自ら命を絶つだなんて、よくニュースでやってるけれど、今までそれらは全て他人事だった。
でも一番身近が、従姉妹が、SNSが原因で命を落とした。
『私も怖かった。もし、私の加工された画像を喜志がネットに流したらって。』
諏訪「……うん、」
『私の場合、唯月が何とかしてくれたから良かったものの、もし唯月がいなかったら?……そう考えたら、私も澪ちゃんと同じ末路を辿ってたんじゃないかって』
すごい怖いの。
そう言えば唯月はそっと近寄り、肩と肩が触れ合うくらい寄り添ってきた。
諏訪「もっと早く気付れば良かったよね」
『っ、……うん、』
諏訪「いくら過去を責めたって、澪奈が戻ってくることはないって分かってる。だけど、」
“認めるまであいつと口きくなよ”
そんなことを言ってた彼女が、後悔してる。
諏訪「後悔しても、もう遅い…」
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Lemon!?(プロフ) - こんなに素敵な作品を作っていただいてありがとうございました!!号泣してしまいました(笑)ストーリー性とか人間らしさとか夢主ちゃんがしっかり思いを伝える所とか命の大切さとか、この作品で様々なものを学ばしていただきました!本当にありがとうございました!! (2022年9月18日 6時) (レス) @page49 id: 1d8fe9d267 (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - ありがとうございました!ずーっと号泣してました笑この話を見てドラマを思い出しましたこの小説をいろんな人に見て読んでもらいたいと思いますこの小説を見たら誹謗中傷がどれだけ最悪のことかその一言でどれだけ人を傷つけているかわかるのでみんなに読んでほしいです (2020年11月30日 1時) (レス) id: 15fe2f62ff (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - ありがとうございました!ずーっと号泣してました笑この話を見てドラマを思い出しましたこの小説をいろんな人に見て読んでもらいたいと思いますこの小説を見たら誹謗中傷がどれだけ最悪のことかその一言でどれだけ人を傷つけているかわかるのでみんなに読んでほしいです (2020年11月30日 1時) (レス) id: 15fe2f62ff (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - 素敵な小説をありがとうございました!お疲れ様でした、これからも他の小説更新など頑張ってください!長文失礼しました! (2019年3月26日 16時) (レス) id: db7ab848e3 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - 完結おめでとうございます!終わってしまうのが本当に寂しく、、最後の最後まで泣かせていただきました!そして、最後に申し訳有りません、、あとがきの前のラストページの最後の()内、闇へようこそ、が 闇へようそこ になってましたよ! (2019年3月26日 16時) (レス) id: db7ab848e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2019年3月3日 19時