陸【呼び出された理由】 ページ42
.
「そんな下心丸出しで来たのか。くだらねぇな」
雷堂はそう上から目線で吐き捨てた。
「そっちこそ、学費代わりに園等先生の手伝いなんて、舐めてるのかな？」
雷堂に対抗しようと九尾も煽りにかかる。言い合いは次第にヒートアップして、2人が呼び出された経緯について聞いただけのはずが、いつの間にか喧嘩を始めようとしていた。
「え、止めなよ、こんなところで」
ツボミが声を掛けても、2人の熱は収まらない。
「駄目だ、コイツをどうにかするまで終われねぇ！」
「ツボミちゃんが僕のことを思ってくれるのは嬉しいよ。でも、男にはどうしても退けない時があるんだ！」
雷堂と九尾はそう語ると、互いに戦いを始めようと構えた。雷堂が拳に火を付け、九尾が全身に妖力を纏わせたその時。
「馬鹿かお前ら！」
それまで傍観していたレイヤが急に大声を上げたかと思うと、いつの間に持って来たのか、消火器のようなものから白煙を噴射した。
勢い良く噴射された白煙は、今にも喧嘩を始めそうだった雷同と九尾の顔に直撃し、近くにいたツボミにも、少なからず被害が及んだ。
「ちょっと、何するの!?」
「決闘に首突っ込むとは、良い度胸だな？」
「脳筋だけならまだしも、どうして女の子や僕のようなイケメンにまで……」
ツボミや戦闘直前だった2人の文句を、レイヤは五月蝿いの一言で片付けた。
「そんなだからセンコーに呼び出された理由も分からねぇんだろ」
「ババアの次はセンコーね。一体どういう精神をしてるのかしら？」
レイヤの口の悪さに怒りを抑え切れない様子の園等先生だが、レイヤは教師の存在など気にも留めずに話し続けた。
「呼ばれた原因はただ1つ、YSPとかいう『非科学的』な力を扱える奴をセンコーが欲していたからだ」
レイヤの『非科学的』の言い方には、決して少なからぬ皮肉が込められていた。
「それで、妖力を自在に操れるお前らと、怨霊と渡り合える俺らが連れて来られた」
レイヤは言い終えると溜め息を吐いた。大方、同級生らの考えの浅さに呆れているのであろう、とツボミは思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そら*フィア(プロフ) - ダイヤモンドさん» ではこちらから向かわせていただきます！ (2020年6月7日 13時) (
レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤモンド(プロフ) - そら*フィアさん» 面白かったですか！！良かったです！ボードでお話全然大丈夫ですよ！どっちのボードでしますか？ (2020年6月7日 13時) (レス) id: 5f9687d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
そら*フィア(プロフ) - ダイヤモンドさん» とんでもない！面白かったですよ！ お友達大歓迎です！ぜひよろしくお願いします。(あまり浮上できないかもしれませんが、)ボードでお話しませんか？ (2020年6月7日 12時) (レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤモンド(プロフ) - そら*フィアさん» 私の作品も見に行ってくれるんですか！？（あんまり面白くないかもです…）ありがとうございます！！あの…良ければお友達ってなれますかね…？ (2020年6月7日 11時) (レス) id: 5f9687d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
そら*フィア(プロフ) - ダイヤモンドさん» ありがとうございます！とても励みになります。今度ダイヤモンドさんの作品も見に行きますね！ (2020年6月7日 11時) (レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
