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「──それから、ガンダルヴァー村で数年暮らしていたんですけどある日人攫いが現れて…」
「………」
「物凄い数の集団だったのですが、私を差し出せば村に危害を加えないと言われて、村の皆が人攫いと戦って、私を逃がしてもらって…」
葛藤していた私の背中を押してくれたのは、ガンダルヴァー村に来た頃から世話を焼いてくれたレンジャーの皆だった。Aが平穏に生きてくれることが何よりの幸せだからと、剣や槍が交わる音を背に私は必死に走ったのである。
それが私の中で未だに残る大きな悔恨であった。
「そうして彷徨う私を快く迎え入れてくれたのがキャンディスをはじめアアル村の皆さんだったんです」
「………」
「でも、未だにガンダルヴァー村の皆と連絡は取れませんし、全員が無事かどうか…私のことも知らせたいですし……」
腕を組み俯くセノさんの首がこちらへ傾く。
一瞬、セノさんに伝達を頼めないだろうかと思ったが、まるでセノさんをこき使っているようで私の心持ちが穏やかではない。
「…あ。すみません、普通は好きな食べ物とかそういうものですよね……」
「………」
「えっと、好きな食べ物は……璃月にいた頃は点心をよく食べていました。特に明月の玉子という、海老と魚肉を卵を含んだ皮で包んだ料理が好きでした」
「………」
「スメールに来てからはずっとデーツナンが好きでしたが、先日の観光でパティサラプリンが僅差で一位になりました」
セノさんとスメールシティを観光した日、朝ご飯にと寄ったカフェで食べたのがパティサラプリンである。
こんなに美味しい料理、仮にも七星召喚でアクションカードとして実装されるからもうHP全回復まであるだろ、と思うくらいにはもうどストライク美味なのである。
「ここだ」
そうしてセノさんの背中越しに見えた景色は圧巻だった。岩盤を枠とした絵画のような眺望で、綺麗な夜空に爛々とした大きな月が浮かんでいた。
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咲原(プロフ) - まるさん» 読んでくださり光栄です。。！ありがとうございます(˶' ᵕ ' ˶)！ (8月13日 12時) (
レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 最高でした！！お疲れ様です！ (8月13日 6時) (レス) @page48 id: 626fa9ab7b (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - あいうさん» ご覧頂きありがとうございます！元ゲームの雰囲気を壊さずに慎重に書いていましたのでそう言っていただき光栄です……！自分らしく執筆を頑張りますね！ (2023年2月21日 16時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
あいう - セノの小説あまり無かったのでめっちゃ嬉しいです！話しも自然ですごいです。めっちゃ好きです。自分のペースで更新頑張って下さい！応援してます！！ (2023年2月20日 1時) (レス) id: 914ffe60d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲原 | 作成日時：2023年1月19日 12時
