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あっという間に熱くなった顔を冷ます場所を見つけられないまま、私の手首に生暖かい何かが這った。それが彼の舌だと分かった途端、日向くんの野蛮な目付きを認めてしまった。


「…うぁ、」


感じたことない感触に変な声が漏れて、思わず口を押さえる。その手を優しく退けられると。


「…Aは……?」

「……?」

「俺のものになってくれるか?」


徐々に熱くなる目頭を振り切るように必死に頷けば、私を見上げる視線に刺されて。


「……っ、ふぁ、」


唇を奪われたのはほんの一瞬だった。すぐに舌を絡ませられて、触れては巻きついて、繊維の一つまで確かめて。

強く押さえられた後頭部へ適う力など持ち合わせていなくて、手持ち無沙汰な両手は彼の肩へ置いた。酸素を求めて開いた口の隙間が、彼の舌と指先で塞がれていく。


「…んぅ、ん…っあ、」


逃れられないと思い知らされるけれど、はなから逃げる気などないのだ。好きな人の前にいたい、視界にずっと入ってたい。そう思うのは最早自然の摂理だなんて思う。

彼の親指に下唇を押さえ付けられたまま、日向くんの顔は下りていく。首筋を彼の舌が伝っていく過程で、上二つのボタンを外されたと認知した途端、鎖骨のあたりに歯を立てられて。


「……っ、ちょ…っ、と…ぉ、!」


胸に顔を埋められたまま、鎖骨に出来た傷跡から漏れる血を吸い込まれてく。日向くんの頭を掴むも、ちぅ、という音は鳴り止むばかりか大きくなっていく一方である。

漸く日向くんが離れたと思えば、首の辺りを優しく撫でるから思わず日向くんの目を覆ってしまった。


「……な、なに、?」

「俺だけのものになってくれるんだろ?」

「うん……そうだけど…」


少しの沈黙の後、まさかの可能性が脳裏に浮かんで、急いでボタンをとめた。


「…見えないよね?」

「多分な」

「た、多分じゃ困る…!」


熱くなった頬を逃さず日向くんに捕まえられる。そのまま頬を撫でて彼がふっと笑った。


「かわいいよ」




.

◇(左右田)→←◆



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咲原(プロフ) - ももかさん» リクエストありがとうございます!申し訳ありませんが、別の短編集にて書かせていただきますね。お手数お掛けします。。! (11月25日 13時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
ももか - 夢野秘密子ちゃんと夢主ちゃんが恋愛をしていて...恋人で両ヤンデレのお話が見たいです...!! (11月11日 13時) (レス) id: dc5ce1bb66 (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - ♡さん» 確認が遅れてしまい、申し訳ありません。大変有難いお言葉です……(;;)!リクエスト了解致しました! (9月27日 20時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
- 初コメ失礼します!咲原さんの夢小説めっちゃ好きです!!あの…もしよろしければゴン太くんのやつみたいなキュンキュンする真宮寺くんの夢小説書いてくださりませんか…? (8月20日 1時) (レス) @page27 id: 1e4698083a (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - オンブルさん» オンブルさんお久しぶりですー!リクエスト了解致しました!気合を入れて甘く仕上げさせていただきますね。。! (8月13日 12時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲原 | 作成日時:2022年12月5日 18時

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