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「貴様の双翼のエンブレムは、俺様の魔犬のイヤリングには遠く及ばない…」

「そっか……」

「だが、その桃色の翼は…貴様に、よく似合っている…」


更に顔を沈めた田中くんが時空の彼方の方を見ながらもそう呟いた。堪らず嬉しくなった私は、彼の手を取り「ありがとう」と口を開く。


「いつか田中くんに見せたいとは思ってたんだけど、似合うって言ってくれてすごく嬉しいよ」

「………あ、ああ…」


手を震わせた田中くんが目を泳がせながらも「いかん、これ以上触れていると貴様にも深淵の厄災が降りかかる…」とか何とか唱えていたので、ゆっくりと離れた。



「田中くん」

「…な、なんだ」

「こっち見て」


先程から目線を右往左往させては私の焦点をことごとく避けるものだから、何かあるのかなと好奇心半分に彼へ詰め寄った。


「これ以上俺様を見ていると、凍てつく瞳を持った悪魔が貴様に憑依するぞ…ッ!」

「………」

「……………」


焦りの果てに諦めたのか、ゆっくりと、おずおずと、田中くんは私の方を向く。


「…田中くん」


そうして交わされた視線の先で、私の右手をゆっくりと掬い上げた田中くんはその手の甲にキスを落とした。彼の熱を初めて感じた。

浴びる日差しのせいでもなく火照る頬への言い訳を考える余地はない。


「…こ、これは、今後貴様に邪悪な魔物が集らないようにする誓いだ」

「そうなの……?」

「いや…偶然邂逅した記念に、貴様の明日が上手くいくようにと祈りを捧げたんだ」


そうして俯いた田中くんは、意を決したように私の両手を包み込んで。


「………好きだ」


私を抱きしめた。


「私も好きだよ」


迷うように背を這う両手が漸く収束したところで、沈黙を破るべく「田中くんの顔が見たい」と呟く。

けれど、顔を見られたくないのか何も言わない彼の腕に力がこもって、きつく抱き込められた。



.

◇→←◇(田中)



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咲原(プロフ) - ももかさん» リクエストありがとうございます!申し訳ありませんが、別の短編集にて書かせていただきますね。お手数お掛けします。。! (11月25日 13時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
ももか - 夢野秘密子ちゃんと夢主ちゃんが恋愛をしていて...恋人で両ヤンデレのお話が見たいです...!! (11月11日 13時) (レス) id: dc5ce1bb66 (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - ♡さん» 確認が遅れてしまい、申し訳ありません。大変有難いお言葉です……(;;)!リクエスト了解致しました! (9月27日 20時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
- 初コメ失礼します!咲原さんの夢小説めっちゃ好きです!!あの…もしよろしければゴン太くんのやつみたいなキュンキュンする真宮寺くんの夢小説書いてくださりませんか…? (8月20日 1時) (レス) @page27 id: 1e4698083a (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - オンブルさん» オンブルさんお久しぶりですー!リクエスト了解致しました!気合を入れて甘く仕上げさせていただきますね。。! (8月13日 12時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲原 | 作成日時:2022年12月5日 18時

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