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最原くんとは向かいのデスクではあるが、別の仕事をしているため、仕事中の会話は殆どない。彼は今、浮気調査をしているらしく、周辺の情報を洗い出しているようだ。
( 最原くんとこうして仕事するのも終わりかと思っていたけど、実際そうなることもなかったな……。 )
そう、ぼうっと彼を見つめていると、パソコン越しに目が合った。
「………あ」
声を漏らしたのは最原くんの方で、照れくさそうにしながらも私をじっと見つめていて。でも多分、私の方が頬は赤くなっていて。
「キミに伝えたいことが沢山あるんだ」
立ち上がった最原くんが私の前で跪き、指を絡ませる。細長く色白い指は指の腹を伝って、指の隙間を抜けていく。
「うん、聞くよ。全部」
「うん………」
言いにくそうに俯くから、私の方からも指からぎゅっと握りしめた。
「キミと離れたくない」
懇願するような切実な目線に、私はもう、そのまま、この気持ちを伝えてしまおうかと思った。手のひらを返すように私を自暴自棄にさせるのは、彼が私より耳まで真っ赤にしていたからか。
「永遠なんてないのは分かってるんだ」
「…うん」
「それでも、キミとずっと一緒にいたい」
私の返事を伺うような弱気な目線に、また好きが積もるのを感じながら力強く頷いた。それからゆっくりと、彼の方に引き寄せられる。
「…休憩しよっか」
それが口実なのは分かっている。
「今日のキミのほっぺ、可愛いよ」
気付かれていたのか。赤く染まる顔に隠されてなどいなかったのか。
先程より余裕の無くなった気持ちに必死に頷くと、頬に優しくキスをされた。想定よりもずっと早く気付いてくれた上に、染まった頬を印づけるように扱われて。
( …今すぐにでもどうにかなってしまいそう。)
これからその制止を最原くんが外してしまうのだろうか。
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咲原(プロフ) - ももかさん» リクエストありがとうございます!申し訳ありませんが、別の短編集にて書かせていただきますね。お手数お掛けします。。! (11月25日 13時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
ももか - 夢野秘密子ちゃんと夢主ちゃんが恋愛をしていて...恋人で両ヤンデレのお話が見たいです...!! (11月11日 13時) (レス) id: dc5ce1bb66 (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - ♡さん» 確認が遅れてしまい、申し訳ありません。大変有難いお言葉です……(;;)!リクエスト了解致しました! (9月27日 20時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
♡ - 初コメ失礼します!咲原さんの夢小説めっちゃ好きです!!あの…もしよろしければゴン太くんのやつみたいなキュンキュンする真宮寺くんの夢小説書いてくださりませんか…? (8月20日 1時) (レス) @page27 id: 1e4698083a (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - オンブルさん» オンブルさんお久しぶりですー!リクエスト了解致しました!気合を入れて甘く仕上げさせていただきますね。。! (8月13日 12時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲原 | 作成日時:2022年12月5日 18時