わけあり少女、ガラルへ【second】 (ページ32)

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#ぽろぽろページ32

しばらく2人は何も言わなかった。その間もずっと、ボクの仲間のひとりは揺れ続けていた。

フライゴンが着地したとわかったのと同時に外に出た。そしたらボクの目の前に、真っ白な体の大きなポケモンがいた。

「レシラム……あのね、私、真実を知ったの」

いつもとAの雰囲気が違う。なんだか悲しそうで、1年前のあの時みたいだ。

もうボクはあんなAは見たくない。

「だから……ボールから出て、違う人のところに行ってもいいんだよ？」

ボクはAが大好き。ボクの頭を撫でる手はあったかいし、笑ってくれるとボクも笑いたくなる。泣いていると不安になるし、いっしょに寝てくれるから寂しくならない。

ボクがこんなにAのことが好きなんだから、レシラムが好きにならないわけがないよ。

「わっ……レシラム？」

レシラムは、ほん？とかいうもので伝説のポケモンだって知った。だからボクよりAの気持ちの変化には敏感だし、その原因が自分だってこともわかってると思う。

レシラムは顔をAに擦り寄せた。その青い目はボクを映すよりずっと優しい。

「まだ一緒にいてくれるの？」

少しだけ羽ばたいてレシラムが鳴いた。

もちろんだよって。

それがAにも伝わったのか、大きな琥珀色の目からぽろぽろこぼれたものがあった。

「ぐすっ……ありがとうございます、キバナさん」

「気にすんな」