わけあり少女、ガラルへ【second】 (ページ30)

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#パートナーページ30

「キバナさーーーーーん！！！」

聞いた瞬間にわかった。Aの声だと。

1年経っても変わらない声に、自分の頬が緩むのがわかった。

「うおっ！」

キバナの腕に勢いよく飛び込んだのは、小さい頃に出会ったボクのパートナー、Aだった。

「お久しぶりですキバナさん！お元気でしたか！？」

キバナに会えて嬉しいんだということがひしひしと伝わってきた。

「おう、元気だったけどよ……なんで空から？」

……忘れてた。ボクのパートナーは時々なにをするかよくわからない。

今ではよくなったけど、最初は料理は何にもできなかった。間違えて甘いお米のご飯を2人で泣きながら食べたこともあったし、しょっぱいケーキを食べながら謝られたこともある。

よく道を間違えるし、ドジだし、寂しがり屋だけど、ボクはAが大好きなんだ。

「たった今、ガラルに帰ってきました！これからキバナさんに会いに行こうと思ったんですけど、シュートスタジアムにいたのが見えたので飛び降りてきました！早く会いたくて！！」

満面の笑みを見せるAは前よりもキラキラしてる。今までボクが感じてた暗い雰囲気も感じなくて、全部終わったんだと思った。

「そうか……オレさまも。会いたかった……」

Aをぎゅっと優しく抱きしめるキバナは、Aのことが好きなんだよね。前にジュラルドンが教えてくれた。

「キバナ……？」

恐ろしく低い声に、ボクのしっぽが揺れた。