わけあり少女、ガラルへ【second】 (ページ29)

今日:9 hit、昨日:22 hit、合計:13,304 hit

#応援と空ページ29

side Dande

あの頃と比べたらかなり立ち直ったと思う。いや、あの頃が落ち込みすぎてて、どれだけ自分が弱かったのか思い知った。

今日はキバナとエキシビション戦。久々のキバナとのバトルに自分が浮き足立っているのがよくわかる。

「アニキ！頑張ってくれよな！」

控え室に来たホップの隣にはアシレーヌがいた。……気のせいか、アシレーヌもそわそわしているように感じる。いつもと何か違うのか？

「……ホップ、今日、変わったことはあったか？」

「え、今日？特に何もなかったぞ？」

変なアニキー、と両手を後頭部で組み笑うホップ。

そうだよな……オレが気を張りすぎてるだけか。

「そうか……なら、今日は応援頼むぞ」

「任せろ！」

どんっ、と自分の胸を叩いたホップを頼もしく感じ、オレはスタジアムへ歩いていった。

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side Kibana

バトルも終盤。お互い何度も何度も対戦してるから、性格も戦い方も、よくわかっている。

だけどいつもそうだ。オレが先に苦しくなる。

わかってる。ダンデは無敵のチャンピオンだったやつで、チャンピオンじゃなくなった今でもその強さが衰えてるわけがないことぐらい。

それでもこうもやられていると弱気にもなってくる。

くそ、こんなんじゃAに顔向けできねぇ……。

オレさまらしからぬ、圧倒的ネガティブ発言。自分でも呆れるほどだ。

また負けちまうのかな……。

普段なら絶対思わないことを思った時、いきなり腰に付けてるモンスターボールが開く音がした。

「ジャローダ？どうかしたのか？」

Aから預かっているポケモンで、相棒。ツタージャの頃からずっと一緒らしく、前にAから写真も見せてもらった。

Aのことを1番に考えるこいつがいきなりボールから出てきたのは初めてで、思わず眉間にシワが寄る。

「っ、ジャ！」

空をしきりに見つめているので、オレさまもバトル中だということも忘れて空を見上げた。

「キバナさーーーーーん！！！」