わけあり少女、ガラルへ【second】 (ページ24)

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#笑顔ページ24

しかしオレがジムチャレンジできる年になって、Aとの時間が減った。

母さんから、Aが寂しそうにしていると聞いて、なんとかならないかと悩んだ。

進化したリザードにアドバイスを求めると、ひものようなものを持っていた。

それではっとした。

確かAの髪が伸びて、いつも邪魔そうにしていた。母さんが切ろうとはさみを持って近づくと、はさみが怖いのか泣き出してしまったため、結ぶしかないと言っていたのを思い出した。

一旦家に帰る途中、いいものを見つけた。

紫に白のラインが入っている、落ち着いたデザインのリボン。

刺繍をやってくれるというので、自分の名前の頭文字とAの名前の頭文字、それから、母さんから口止めされていた弟の名前のホップの頭文字を入れてもらった。

「A、これ」

「このひもなあに？」

「オレはこれから忙しくなるけど、Aが寂しくならないように、オレがおまじないをかけておいたぜ！」

「……ダンデにい、おうちにいないの……？」

「大丈夫だ！これがある限り、オレはAのそばにいる！」

「うん！おかあさんとあかちゃんはまかせて！」

あの時のAの顔は忘れない。花が咲くように、満面の笑みをオレに見せてくれた。

その笑顔が見れるなら、どんな辛いことでも乗り越えられると思った。

負けて辛くても、逆境で苦しくても、批判や誹謗中傷があったとしても、Aの屈託のない無垢な笑顔を見れるなら。