わけあり少女、ガラルへ【second】 (ページ1)

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#レシラムページ1

ワイルドエリアについて、みんなをボールから出してあげた。

「……出ておいで。レシラム」

気高い鳴き声と共に真っ白いドラゴンが出てきた。

そっと手を伸ばすと、首をもたげて擦り寄ってきた。

「久しぶり、レシラム。元気だった？」

前に出してあげられたのはいつだったかな。そんな最近ではないからもう2、3週間くらい出してあげられてないのかな。

「ごめんね、なかなか出してあげられなくて」

ほんとはもっと外に出して、いっぱい外の空気を吸って欲しい。だけど世の中、いい人たちだけじゃないから、そういうわけにもいかない。

「わっ……くすぐったいよ、レシラム」

私顔を私に擦り寄せてきたレシラム。でもなにか感じ取ったのか、黙って顔を上げた。

レシラムの視線が鋭くなったのでその方向を見てみると、キバナさんがいた。

「レシラム、この人は大丈夫だよ」

キバナさんなら大丈夫だし、なによりレシラムはドラゴンタイプ。ドラゴンタイプをこよなく愛するキバナさんが、レシラムに対してなにか危害を加えるとは思えなかった。

「……お前、レシラムっつーのか」

キバナさんへ顔を近づけたレシラム。……少し周りの温度が上がったかな。

「オレさまはキバナ。よろしくな」

キバナさんの顔の前に自分の顔を持っていった。じっと見つめて、信用していいのかどうかを見定めてるみたい。

少しの間そうしていたけど、レシラムがおずおずといった感じでキバナさんへ擦り寄った。

「……ありがとな、レシラム」

羽根をはばたかせて体を伸ばしているレシラムを見ると、やっぱり外に出すことは大事なんだなって実感した。

「わわわっ！」

レシラムのはばたきで起きた風によろめいた時、背中を支えられた。

「A」

「キバナさ──」

顔を上げたら、唇に柔らかいものがあたった。