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若さに感激するべきか。
阿呆だとため息をつくべきか。
分からなくなったけど、その光景を想像するとほんの少し微笑ましく思えたから今は感激しておこう。
俺は君の手を握った。
何か食べた方がいいんだけど
今のジェシーはひとまず眠った方がいい。
「せんせ、」
「いいから少し寝な。」
「、ごめんね。」
「ん?なにが、」
「大変な時に、迷惑かけて、」
「…前言撤回。君は阿呆だ。」
「、へ?」
「あぁ、ごめん。こっちの話。」
この状況で迷惑をかけたと謝る奴がどこにいる。
寧ろ君の病状を悪化させてしまった俺の方が、君にとって 迷惑 だろうに。
どこまでも意味の分からない人だ。
俺の手を握りながら、眉間に寄せられた皺も少しずつ薄くなって。ジェシーはそっと眠りについた。
……しばらく経って、君の目が開かれる。
スッキリしたようにも見えるその顔は、今の俺にはちょっとムカついた。
俺の表情に気付いたのか、
おはようよりも先に君は言った。
「…目覚めて早々怒ってない?」
「君がいつまでも俺の手を離さないおかげで
一時間もこのままだよ。」
何度か挑戦しても、決して離してくれないジェシーの手に、コイツはもしや起きているのではないか。と疑ったほど。
でもそれを聞いたジェシーが『ずっと一緒だったならいいじゃん』と嬉しそうに笑うから、もう何も言えない。
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作者名:ひじり | 作成日時:2021年4月8日 14時