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Hokuto
次の日。
俺はまた病室の扉の前に立っていた。
家に帰って，ずっとずっと考えた。
何がどうなって，これからジェシーはどうなるのか。
…俺はこれから，どうしたいのか。
ゆっくりと扉を開けると，随分暗い君がこっちを見る。
俺を視界に捉えると，その眉をひそめた。
ジ「ほくと，。」
北「体調はどう？」
ジ「もう来ないでって，」
北「了承してないし。」
ジ「…別れてって言ったじゃん。」
やっぱり，日付が変わってもその台詞は随分刺さる。
ジェシーに振られるなんて想像もしてなかったから一層だ。
ジ「北斗。もう来なくていいんだよ。」
北「なにそれ，どういうこと。」
ジ「だから，もう俺のことはいいから。」
…馬鹿にするな。
俺を，俺たちを，
何よりジェシーを馬鹿にするなよ。
北「，ふざけんな。」
ジ「ぇ？」
北「勝手に決めんな。」
分かってるよ。
あまりに突然で理解したくないけど，それでも君が悩んで悩んで決めたことなのは分かる。
俺のことまで考えて，色んな気持ちを隠してるのも分かる。
一人で生きたいと言う君の目は，
出会った頃と変わらない優しい目で。
北「強がんないでよ，」
君がそんな目を向ける人は，俺しかいないって分かってるから。
北「…強がって，逃げないでよ。」
この人のこんな優しい嘘。
気付けるのも俺しかいないんだよ。
ジェシーが離れようとした時に俺が黙っちゃダメなんだ。
俺が引き留めないと，この人は本当に離れてしまうから。
ジ「北斗…，ごめんね。でも＿＿＿」
北「＿＿＿ なめないで。」
ジ「っ，！」
北「ジェシーは，俺がどれだけジェシーを好きが分かってない。」
考えることから逃げたくなっても，ジェシーのことなら逃げないよ。
どんなに悲しい現実だって，そこにジェシーがいるなら向き合うよ。
それくらい，俺は君が好きなんだよ。
大好きな人の手を，そう簡単に離せる訳が無いんだ。
だから，大人しく諦めてよ。
北「一人で生きるなんて，絶対無理だよ。枯れるに決まってる。」
ジ「北斗…，でも，」
白くて柔らかい頬を思いっきりつねる。
ジェシーは驚いた様子で固まったから面白い顔が目の前に。
よし，ジェシー。俺決めた。
北「一緒に生きよう。今日も，明日も，」
ジ「っ，」
北「手を繋いで，歩こう。」
こんな言葉の最中にも滲んでしまう涙。
ほんと俺ってつくづくダサい。
ジェシーはそんな俺を見て，
変な顔のまま，笑った。
end
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作者名：ひじり
x他1人 | 作成日時：2021年5月16日 9時
