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『えっと･･･先帰ろうか？』
「ダメだよ、お姫様は･･･」
そこまで言うと黙ってしまった。どうしたのかな･･･？
「ごめん･･･」
『へ、どうしたの？怒ってないよ？』
「何となく･･･君にこんな事、言っちゃいけない気がしたんだ」
望月くんはシュンとしながら、私の手を強く握った。
「君にはもっと･･･"正しい"事を言いたい･･･どうしてかな･･･」
『望月くん･･･』
周りの女の子たちは睨みながらも去っていった。･･･あの子たちにちょっと悪いことしちゃったかも。
「あ･･･ごめんね。手なんか繋いでたら、またアイギスさんに怒られちゃうね」
望月くんは握った手を優しく離した。望月くんの体温が消えていく･･･それに何だか寂しさを覚える。
「･･･でも、何でだろう。アイギスさんの事も、何だか･･･懐かしい様な、なんか思い出しそうな気がするのに･･･」
『･･･』
望月くんは寂しそうに俯いた。明るいばかりでない望月くんの一面を見た気がした。
「あっ･･･せっかく一緒にいるのにね。ねえ、街を案内してくれない？奏弥ちゃんがよく行くところを見てみたいな」
『うん、いいよ』
私たちは街をぶらぶらして過ごした。
◇
「修学旅行？」
「そうそう！ウチの学校は2年と3年が合同でさ、京都行くんだ！」
順平は日課のように千鳥に会いに来ていた。お土産で何が欲しいか聞くと、即答で「いらない」と言われてしまった。
「欲しいものなんてないから」
「･･･そっか」
そして順平は千鳥の手首を見た。あの時、怪我していた傷が綺麗に無くなっている。
「ほんとにすぐ治っちまうんだな。どうなってんだ？」
順平の問に千鳥は萎れた百合を使って見せた。手をかざすと元の生き生きとした花に変わる。
「すっげぇ！」
「私の力を少し分けただけ」
「治癒の力ってやつか？もしかして手首の傷もこれで？スゲェ！」
「･･･凄くない。順平にだって力があるでしょ？」
「っまぁ、それくらいしか無くて──」
そう言いかけた時、奏弥や仲間たちの事が頭をよぎった。それしかなくても、そばに居てくれる仲間を。
「順平･･･笑ってる」
「え？」
「私とは違う」
千鳥は何かを考えるかのように目を閉じた。
「私はここに居れば順平に会える。それが分かってるからここに居られる。ここがいいって思える」
「･･･チドリ」
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嫌われ者(プロフ) - ルナさん» こっちの方にもコメントありがとうございます(*^^*)次の更新をお楽しみくださいね (2021年12月27日 8時) (
レス) @page32 id: f438d46a26 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 今回のイラスト、とても幻想的で綺麗でした。ラストが近づいて来ていて、これからの展開がすごく楽しみです。頑張ってくださいq(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! (2021年12月27日 3時) (レス) @page32 id: 5abf626923 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嫌われ者 | 作成日時：2021年11月28日 15時
