6枚目 ページ6
三好がフォーカードを出し佐久間に勝った。賭場にあった佐久間のチップは三好の元に移される。「まだまだ、これからだ」佐久間の言葉で二回戦が行われた。切られたカードが手元に配布される。しかし何度佐久間に良いカードが回ってこようと結局は負かされてしまう。灰皿は押しつけて消された煙草で底面が見えなくなる。局面で勝負に出ても机上のチップは佐久間の元には帰らない。
「仕方無いたまにはこんな事もあるさ。また、誘ってくれ」ため息をひとつ溢し席を立つ。勝負には立て続けに負け諦めた。席を立ち、食堂を後にしようとしたところ「佐久間さんはポーカーでは負けていませんよ」珍しく小田切が口を開き、続ける。小田切言葉に「ん、どういうことだ」と続きを求める。「僕があなたのカードを覗いてサインを出していたんです」
姑息な手を使われているのを知り佐久間は憤慨した。「なんだと。イカサマをして勝って一体何が楽しい」呆れたように口を開いた三好が続ける。「僕たちは何も。ポーカーをしていたわけでは無いんです」頭を振って肩をすくめる反応があっても何もおかしくない言い草だった。「なに。だったら何をしていた」三好の回答に佐久間は困惑した。「一応、ジョーカー・ゲームと読んでいます」
ポーカーと同じだが、その道徳心に反するルール。ジョーカー・ゲーム。ますます分からないという表情をするとひとつため息をつくように三好が答える。「つまりですね。テーブルでカードゲームが行われますがそれは見せかけに過ぎません。プレイヤーは食堂にいる者を味方につけ盗み見たカードをサインで知らせてもらう。だが、誰がどちらの側についているのかはわからない。サインは偽物かもしれないし敵方のサイン読んで手を変える事もある」佐久間の脳裏に先程のやりとりが浮かぶ。小田切の煙草を求める声に「おい。一本くれよ」甘利が応えた。「ほら」
「場合によっては敵のスパイを裏切らせ、味方につけることも出来る」三好の指す行為は理解できた。しかし佐久間には三好の言っていることが理解ができなかった。「そんな騙し合いをして、一体何が楽しい。何の意味があると言うんだ」憤りを隠せない佐久間に対し「さあ、せいぜい国際政治的なものですよ」甘利は落ち着いている。
「国際政治だと」温度のない言葉を復唱し、うまく飲み込もうとするが彼らの言葉が佐久間には信じられなかった。真夜中の食堂には寝巻き姿の佐久間とシャツにスラックス姿が八人。
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カナリアナ(プロフ) - エルモさん:仲間ですね！！自己満足になってしまうんですが、小説も頑張っていこうと思います。読んでくれてありがとうございます！！ (2019年12月9日 21時) (
レス) id: ddfa994d58 (このIDを非表示/違反報告)
エルモ - ジョカゲ好きです！！ (2019年12月9日 20時) (レス) id: 9cee2cc714 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カナリアナ | 作成日時：2018年12月12日 21時
