2nd ページ3
いつもの帰り道。
また今日も優希さんと自販機でジュースを飲む。
「私はコーヒーの気分かなぁ…。琴乃ちゃんはどうする?」
「わたし…?わたしもコーヒー。」
「ん、琴乃ちゃんてコーヒー飲めたっけ」
「……飲めるもん」
本当はコーヒーなんて苦手だけど、優希さんが飲んでたから、同じのが飲みたかった。
「いやー、暑い日には冷たいコーヒーが合うねぇ〜」
「あの…!今度の夏祭りの日あいてる?」
「んー?あいてるよ〜」
スカートの裾をぎゅっと握る。
「よかっ……」
「琴乃ちゃん、一緒にお祭り行く?」
「え?」
まさか誘われるなんて思っていなかった。
「あ、ごめん!忙しかったかな?」
「いや……暇。」
「ほんと!?じゃあ一緒に行こうよ!」
でも…優希さんは茉優ちゃんと三人で行きたいんだろうな…
「茉優ちゃんも誘う?」
「え?」
「ん?」
「え、いや、優希さんは茉優ちゃんと三人で行くつもりなのかなって。」
「あー、誘ってもいいけど、高杉ちゃんはお隣埋まってるし、私は琴乃ちゃんと二人で行きたいな。だめ?」
だめ?はずるいじゃん。
「うん。じゃあ二人で。」
決まった瞬間、六時のチャイムがなった。
「そろそろ帰ろっか。」
「うん。」
缶を捨てて、再び自転車を押しはじめる。
「浴衣とか買わなきゃな〜」
「そうだね。」
「琴乃ちゃん、浴衣持ってるかと思ってた」
浴衣……インスタにあげるのにはいいけど、お祭りっていうワイワイした雰囲気が苦手であまり興味がなかった。
「ん、塾あるから私はここで。じゃあまた明日」
「うん。また」
「バイバイ!」
明るく笑う優希さんにまた惚れてしまう自分が、カーブミラーに写っていた。
「ガラじゃないのに…」
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