*•【場地圭介】 (ページ12)

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9月14日
場地圭介と松野千冬は三ツ谷隆宅にいた。
三ツ谷隆は腕を組んで、じっと場地圭介を見つめていた。
見つめられている場地圭介は下を向いて正座をしていた。
2人の間に流れる気まずい空気…
そんな中、松野千冬はルナマナとおままごとをしていた。

三「突然やってきたかと思えば菓子折り持ってきて」

場「………」

三「何が目的だ」

場「………」

何も言わない場地に痺れを切らしたのか、いつの間にかおままごとを終え、ルナマナの化粧の実験台になっていた千冬はフォローした。

千「場地さん！ちゃんと言わなきゃダメっすよ！」

ルナ「あ！動かないで！」

千「すいません」

もっとフォローしようと思ったがルナマナによって阻止された。
場地は頼みの綱(千冬)を失った。

三「言え、場地。」

場「…9月23日、Aの誕生日でよ、プレゼントで困ったことがあってよ…」

三「何にしようか困ってんのか？」

場「いや、ちげぇ…その、ぬいぐるみをあげようと思って」

ぬいぐるみ＿＿そこで三ツ谷は何かを察した。

三「おいおいまさか」

場「…作ってください………」

三「はぁ………自分で作れよな…」

場「一応、千冬に教わりながらやってみた」

と場地はポケットから手のひらサイズのぬいぐるみを机の上に置いた。

三「なぁ、これ、こ、？？？？」

三ツ谷は場地が取り出したものを見て考えるのをやめた。

千「場地さん、猫が好きだから猫のぬいぐるみに挑戦したんすけど……なんか、クリーチャーができました。」

モロクリーチャーだった。
場地なりに頑張ったのは伝わった。
何故なら指には絆創膏がたくさん貼られていたから。

三「あー、俺が作るわ」

そう言った三ツ谷の目はどこか遠くを見つめていた。

多分場地が作ったものを貰う方が嬉しいかもしれない。
だが三ツ谷は目の前に置いてあるかつて猫だったクリーチャーを放っておくことができなかった。
これは猫。と言われなければ、人はただこれを見て何かの塊と言うだろう。

現時点で千冬は場地が作ったぬいぐるみを意地でも見ないよう三ツ谷と場地がいる方を全然見ない。

優しい三ツ谷は放っておけなかった。

場「ありがとう…！」

千「よかったですね！場地さん！」

ようやく三ツ谷と場地がいる方を向いた千冬の顔は
ルナマナによって口紅が塗られていたり頬が赤くなっていて髪も二つ縛りされていた。

三「おい…帰る時、顔洗ってけ…」

一方その頃
何も知らないAは家でお菓子を食べていた。