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K 6 ページ6

「お待たせ」





私服に着替えた藤ヶ谷がやって来た。







屋上には、2人だけ。






「悪ぃな、急に」






「いや、別に」




藤ヶ谷の素っ気ない態度なんて、今更なのに

すでに怖気付いてしまった俺には痛すぎる態度。





「で?話って?」



話し出さない俺を見兼ねて、藤ヶ谷から切り出された。





「あ…うん。



あのさ…」





藤ヶ谷もあの時…

こんな気持ちだったんだろうか。




「俺…


……藤ヶ谷のことが、やっぱり好き」




言った後、まずかったかとは思った。


“やっぱり”って、なんだよって。


俺の告白、おかしすぎるだろ。


前にちゃんと告白したわけでもないのに、“やっぱり”なんて。




藤ヶ谷は真っ直ぐ俺を見ていた。




「……今更?」



藤ヶ谷の冷たくて低い声。




身震いがした。





キッとこちらを睨みながら低い声のまま、




「遅いだろ、もう」




わかってた。




遅い。


遅すぎる。





「藤ヶ谷…俺っ」



弁解なんてわけじゃないけど、今までのことを謝りたくて発した言葉に




「もう、遅すぎるんだよ!


6年だよ?!


6年放置された俺の身にもなれよ!!」




藤ヶ谷の細い身体から絞り出される怒りの声。





こんな藤ヶ谷、見たことなくて
圧倒されてしまった。






.

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作者名:咲良 | 作成日時:2017年9月17日 14時

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