K 2 ページ2
気が付いたら、自分の部屋のベッドで仰向けになっていた。
真っ暗な部屋。
締め切ったカーテンの隙間から
少し夜の明るさが漏れてるだけ。
あー…
俺、いつ帰ってきたんだろ。
服も着替えず、力無く体をベッドに投げ出している。
さっきの藤ヶ谷を思い出すだけで
胸が締め付けられて…辛い。
全部俺のせいだってわかってるのに、
藤ヶ谷からのあの眼差しが…
丸６年も苦しめてたことが…
後悔したって、遅いのに。
なんで、俺は間に合うと思っていたんだろう。
俺には後悔してもしきれないことがある。
６年前の、俺の誕生日。
デビューして翌月のことだった。
デビューしてからは目まぐるしい毎日を送っていた。
藤ヶ谷と玉なんて、ドラマもあって大変だっただろう。
デビューして翌月の俺の誕生日。
メンバー皆との仕事だった。
デビュー前は、藤ヶ谷とはシンメなこともあり
一緒にドラマ出たり
ライブやったりしてたのに
デビューしてみたら
前の３人には入ってるものの
藤ヶ谷と玉がセットのように売り出された。
片割れが奪われた感覚。
ずっと一緒だと思っていた藤ヶ谷は
簡単に玉の隣りへと立っていた。
それがさも当たり前かの如く。
デビュー前には事務所から言われていた。
これからは今までとは違った売り出し方をしていくと。
こうなるとは思ってもみなかったけど
藤ヶ谷との夢のデビューが叶ったんだから…と言い聞かせてた。
“北山と藤ヶ谷の接触は少なめに”
なんて事務所から言われて、
なんのことだろうと思ってたけど
玉とセットにしたいが為のことだったんだなとデビュー後にわかった。
去年の誕生日は藤ヶ谷と一緒だったなぁ…なんて考えながら仕事をこなす今年の誕生日。
そんな時、藤ヶ谷に呼び出された。
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作者名：咲良
| 作成日時：2017年9月17日 14時
