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それから、なんだかんだと話は尽きず、俺好みの美味しい料理も味わえ、あっという間に時間が経つ。
まだまだ北山と居たくて、
でも、北山を意識してることは気付かれたくはなくて、
自然とお酒の量も進んでいた。
「藤ヶ谷、もう酒は終わり！」
「なんで？
まだよくない？」
「おまえ、悪酔いしてんぞ？
ちゃんとひとりで帰れるのかよ？」
「いや、帰れな〜い」
北山と一緒じゃないと帰りたくない。
あれからカクテルと、
北山が飲んでた焼酎や日本酒を少しずつ貰って呑んだりして、
チャンポンしちゃった俺は気分がよくなってた。
北山と一緒が嬉しすぎて。
でも、ちゃんとまだ意識はある。
少し酔ったふりで北山を困らせたりして。
少しでも、居たい。
こうやって北山と一緒に笑っていたい。
次なんてないんだから。
今を終わらせたくない。
…なぁんて、俺、、、
勝手だなぁ。
「まだ…呑もうよ、北山」
これが限界。
俺なりの好きの別の言い方。
北山には伝わらない。
伝えられない。
…北山のピアスになりたい。
そしたら、ずっと一緒に居られるのに。
お酒のせいか涙腺が緩んできた。
机に顔を隠す。
北山からは伏せた俺は寝たように見えたみたい。
「藤ヶ谷？！」
応えずに伏せたままでいると
「藤ヶ谷？
……ったく、寝たな？
だから呑みすぎだって言ったのに」
寝てないよ？
でも、少し待って。
夢の時間の終わりを知りたくなくて、涙が出るんだ。
伏せたまま、涙を止めることに必死になっていると、
頭に北山の手を感じた。
優しい手。
俺の頭を撫でてる。
「…酔うまで呑ませるつもりはなかったのに。
酔っても藤ヶ谷、可愛いな」
そう言って俺の頭を撫で続ける。
え？
北山？
今って、寝てると思ってるんだよね？
体が起こせない。
「…連れて帰ろうかな」
優しく撫でていた手が髪を梳く。
梳きながら、撫でながら…
まるで恋人にするみたいに…。
「無防備に寝やがって。
……横尾さんと呑んでもこうなるのかな」
北山…
「…起きて俺とベッドで寝てたら、驚くだろうな？
……いや、無理だ。
襲いそうだわ、俺」
え？
え？！
北山？！
北山の独り言に、どう解釈していいのかわからない。
北山を好きな俺にとっては、いいようにしか受け止められない。
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作者名：咲良
| 作成日時：2017年8月11日 1時
