小さなピアスに大きな想い (ページ4)

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北山が楽屋を出て、ひとりになった。

ピアス、今まで捜すなんて
相当大切なんだな。

あのピアス、いつも付けてた北山のお気に入り。

真剣に捜してる姿を見て、
早い段階で
何度一緒に捜そうかと言おうと思ったか。

でも、言えなかった。

いつも距離がある俺から
声をかけることが出来なかった。

ごめんね、北山。

ピアスのありそうなとこ、見当ついてるんだ。

今日の北山は、楽屋に入ってニカ達と戯れた後、ソファで眠りについた。

ソファで眠っていた時は
ちゃんとピアスが付いていた。

でも、起き上がって着替え出した時にはピアスが付いてなかったんだ。

ずっと見てたから、わかる。

いつも見てるから、わかる。

だって…

俺、

北山のことが好きだから。

だから、本を読むふりをして
北山のことを本越しに見てる。

北山が眠っていたソファの下を捜す。

ない。

ってことは、寝てる時かな？

ソファの縫い目の間に指を入れてなぞると

手に触れた硬いもの。

あった！

２本の指を差し込み、摘み出すと、いつもの北山のピアス。

じゃ、この辺りに…

ピアスを左手に握りしめ、
右手の指で捜索すると、もうひとつ硬いものを発見。

摘みあげると、ピアスのキャッチ。

左手のピアスにキャッチをつける。

あったよ、北山。

いつも見てるだけの北山のピアスが
手の中にある。

…誰かに作ってもらったプレゼントなのかな？

誰かって？

…彼女？

はぁ…と、大きく溜息をつく。

考えてもしかたない。

北山は男になんて興味ないだろう。

ましてや、俺になんて…。

いつも遠くから見ていただけのピアス。

こんな形をしてたんだって、マジマジ見てたら
何か掘りがあることに気付いた。