小さなピアスに大きな想い (ページ11)

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「きっ…きたや…ま？！」

小さいはずの北山の腕に抱きしめられてる。

「…彼女じゃねぇよ」

「だって…」

「願掛け、してたの。

片想いがうまくいきますようにって」

片想い。

でも、相手がいるんだ…

「T…って、おまえしかいねぇじゃん？」

優しい声で耳元で囁かれて

「え？！」

びっくりして北山の腕を持ち、体を離す。

北山は真っ赤な顔して

「せっかく隠してんのに見るなよ」

と目を逸らす。

「Tって…俺？」

「…太輔、だろ？」

当たり前って顔で、今度は逸らさずニヤっと笑う。

「じゃあ、北山の片想いって…」

俺なの？

「好きだよ、藤ヶ谷」

甘い声。

「なんで…」

「なんでって、しかたないじゃん？

好きなんだから。

って、藤ヶ谷は？

本気…なんだよな？」

確認する北山に、頷く。

何度も頷くしか出来ない。

「好き」

やっと出した言葉は、たった二文字。

でも、二度と伝えられないと思っていた二文字。

もう一度、抱きしめられる。

「よかった」

北山、それは俺の台詞だよ。

本当に…よかった。

暫くそのまま抱き合ってた。

この温もりを離したくない。

「…藤ヶ谷、そろそろ帰る？

結構いい時間だぞ？」

え？

もう？！

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