そこに、あなたがいてくれるから 《後編》

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「そうだなー。

この辺わかんねぇから、
藤ヶ谷が知ってるうまい店とか？」


「北山にうまい店とか…ハードル高いんだけど」


「なんでだよー。

藤ヶ谷がうまいと思う物を、俺も食べたいだけ」


サラッと照れてしまうようなことを言ってのける北山。


俺が美味しいと思う物を食べたいと思ってくれてるとか…
嬉しすぎる。


「じゃ、和食だよ？」

「おっ！いいじゃんっ」

「予約出来るかな…」


好きな和食屋さん。


連絡して予約をとり、発車させた。


店に着くと個室に通してもらい、
いつものように食事する。


「うまっ！

これもうまいわー！

藤ヶ谷、いい店知ってんな」


「北山に気に入ってもらってよかったよ」


北山との時間が幸せでしかたない。


どうして前の俺は、北山とこうして一緒にいなかったんだろう。


不思議でしかたない。


食事を終え、
今日は車だからと北山のマンションまで送った。



北山が降りる前に止める。


「北山」


「ん？」


「あのさ、これ」


さっきのショップで買ったショップバッグを差し出す。


「ん？」


「北山が着たヤツ」


「は？！」


「似合ってたから、買っちゃった」


驚いてる。



「いやいや…え？！」


「はい、プレゼント。

明日の収録、着て来てね？」



「いや、貰えねぇって！

買うよ、俺っ」


「いいの。

俺が勝手に買ったんだから。

明日俺も今日の着て行くからさ、
北山もコレ着て来てよ」


胸の前に差し出し、受け取らせた。



「ね、似合ってたし、
メンバーにも見せてあげよ？」


似合ってたのは本当。


メンバーに見せたいのは…


北山とデートしたんだぞって
見せびらかしたいというか…



俺、相当北山にハマってる気がする。




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