触れていいのは俺だけ

F 15 ページ15

いいにおいって、何？！




俺はそのまま暫く動けなくて…


でも、寝られるわけもなくて…


そっと北山から離れて起き上がり、部屋を出てシャワーを浴びた。


でも、目は冴えてしかたなくて…


北山の脱いでた服を洗濯したり、

明日の朝シャワー浴びれるようにバスタオル出したり

朝ごはんの下準備したり…


で、全て終わると…ソファーで寝るのは勿体ないなと思って


北山が眠るベッドへと戻った。


無防備な寝顔。


そっと横に入る。


今日くらい、いいよね？


暗闇の中で慣れた目は、北山の寝顔をしっかり捕らえる。


こうやって同じベッドで眠るなんて2度とない。


このままが続けばいいのに…。


そう思っていたら



いつの間にか眠ってしまっていた。









「ってことなんだよね。

もぉ、心臓が持たなかったよ」


俺の報告を聞き終えた渉は


「一歩前進出来たんじゃない？」


と嬉しいことを言ってくれる。


「かなぁ？

…もうこんな奇跡、2度とない気がするけど」


「2度目も作れるように頑張れよ！」


頑張る…か。


北山とどうこうなることなんてないのはわかってる。


この気持ちを知られたらいけないことだって…。


…でも、


ずっと北山と話せない距離感は嫌だ。


少しだけ…


…他のメンバーとの距離感と同じように、なんて願ってもいいんだろうか。




.

K 16→←F 14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す