触れていいのは俺だけ

K 13 ページ13

リビングに居た藤ヶ谷に


「ありがと」


と言うと、既に着替えていた藤ヶ谷が


「座ってて」

と対面キッチンへと行き…


トレイに食パンやスープ、目玉焼きをのせてやってきた。


「ん、朝食」


「えっ」


「このくらいしかないけど」


「作ってくれたの？」

ローテーブルに置かれた食事に目を注ぐ。


「美味しいかはわからない」


「食うっ！

ありがとうっ」


なんて出来た嫁だ！

って思うことくらい許してもらおう。


俺の為に作ってくれたんだ…


「いただきます！」


早速頂く。


「美味いっ

藤ヶ谷、美味いっ」


やばっ

嬉しすぎる。


「そう」


「ん、マジで美味い」


「焼いただけだろ…」


「絶妙な焼き加減なんだよ」


藤ヶ谷が作ってくれたなら、全て美味い。


「…マネージャーには北山と一緒に行くって連絡しておいたから」


「ん？」


「今日のレギュラー収録」


「あ…。

ありがとう」


一緒に行くんだ…


「何から何まで…ごめんな」


こんな世話になってしまってる。


迷惑だよな…


益々嫌われてしまうんだろうか…


「…何凹んでんの？」


「迷惑かけてんなって…」


「別に…

メンバーだし」


メンバー…だよな、うん、そりゃそうだ。


「…もう少ししたら出るよ」


「あ！わかった！」


とりあえず、今は少しでも迷惑かけないように…と
慌てて食べ始めた。



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