それが嘘だと気付いたら ３

K 84 ページ33

「簡単なものしか作れなかったけど」


と、横尾さん家のテーブルには美味しそうな料理が並んだ。



「いや、すげー豪華」


「ありがと。

食べよっか。

話はそれから…ね」


お腹も空いてたし、とりあえず頂く。


藤ヶ谷のことは親友だっていうし、

俺を家にあげて飯まで作ってくれてるし、

本当に藤ヶ谷に対して
恋愛感情はなさそうだし、


…ひとまずは落ち着いてる俺。




「うまっっ！」


「よかった」


やっぱ、横尾さんは凄いわ。


モグモグ食べてると


「最近、みっちゃん笑ってなかったからさ、久々見たわ」


とニッコリされた。



「…俺？」


「ん。ずっと辛そうだったよ？」


辛そう…


……気付かれてたんだ。


「そっか、そう見えたんだ」


隠してたつもりだったのにな。


横尾さんが作ってくれた食事を堪能してから、
本題に入ることにした。





「ご馳走さまでした」


「口に合ってよかったよ。

みっちゃんは沢山食べてくれるから作り甲斐がある」


俺は…だよな。


「…藤ヶ谷は、食べてないもんな」


「そうだね…

時間ある時は作りに行ってるんだけど、
あまり食べないかな」


藤ヶ谷の部屋に行ってるのか。


羨ましい…

あいつの側に居られる横尾さんが羨ましい。



「太輔、今、まいってるから」


さっきの楽屋の話が本当だとするならば…



「あいつ、まだ想い伝えてないんだ？」



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