時空を越えた奇跡3 (ページ10)

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優勝者ページ10

それからA達は、観客席から激しいバトルを見届けた。

様々な工夫を凝らした戦い方は、誰もが学ぶべき点があったと思う。

両者1歩も譲らずに、バトルはとても長くなった。

そして、ヒストロカップの決勝戦はついに決着がつき＿＿＿

「エレキブル戦闘不能！よってこのバトル、勝者サトシ選手！！」

サ「やったぜ！！」

タ「いいバトルだったな！」

ヒ「やった！サトシが優勝よ！！」

『凄い……！』

ジ「うおぉーー！！なんか俺今すっげぇ燃えてるぜ！！！」

ﾀｲ「おめでとうございます！」

サトシの勝利で、決勝戦は幕を閉じた。

決勝戦が終わるとすぐに閉会式が行われ、A達は表彰されるサトシを観客席から見守った。

ジ「ったく！なんで3位の表彰はねーんだよ！？」

『まぁまぁ…』

隣で腕を組むジュンを宥めながら、Aはライトに照らされ此方に向かって手を振るサトシの姿を見つめる。

……本当に凄かった。

初めて参加したこの大会。

始めて知ること、学ぶことはたくさん見つけることができ、

……何より、とても楽しかった。

こんな経験を積み重ねて、強くなっていくのだろう。

ポケモントレーナーというものは。

サトシの姿が見えなくなると、今までAの膝の上に座っていたコリンクがいきなり駆け出していく。

『わっ！？コリンク！！』

ﾀｲ「もしかすると、コリンクは早くサトシさんに会いたいんじゃないでしょうか？」

ヒ「私も！優勝商品ってなんだったんだろー？」

ジ「あぁー！！？ずるいぞヒカリ！！」

一目散に走り出していく姿を見て、薄い苦笑いを浮かべる。

タ「じゃあ、俺達も行くか」

『うん』

カタンッ

Aは観客席から立ち上がると、後ろで何か軽いものが落ちる音がした。

タ「A、ポケギア落としたぞ」

『あ、本当だ……ありがとうタケシ』

落とした拍子にボタンが押されたのか、画面は明るく光っていた。

Aはすぐにそれを拾い、電源ボタンを切ろうとする。

が、その指は不自然に止まった。

『……っ！』

タ「どうかしたのか？」

『………

ううん、なんでもない。行こう』