時空を越えた奇跡3 (ページ6)

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VSシンジ4 ページ6

『水の波動！！』

最後の力を振り絞りながら、シャワーズはエレキブルへ技を放つ。

シ「受け流してもう一度雷パンチ！」

エレキブルは両目でしっかりと水の動きを読み、左腕で水の波動を流す。

『っ！』

どうして片手？

シャドーボールを食らって、体力もそこそこは削れているはず。

片手で受け止める余裕が、まだあるってこと……？

『っ！』

いや、違う。

明らかに先程と比べて違う動き。

時々歪ませる顔。

……もしかして、さっきのアクアテールで右腕を痛めた？

雷パンチを避けるシャワーズ。

エレキブルの出した腕はやはり左腕。

シ「……エレキブル、雷！」

エレキブルの違和感に感づいたのか、シンジも攻撃のパターンを変えてくる。

『交わして水の波動！！』

相手が片手を使うことができないとしても、ダメージが大きいのは間違いなく此方。

油断はできない……！

あちこちに水溜まりが出き始めたフィールドを、シャワーズが駆け回る。

シンジはエレキブルにシャワーズを掴まえるように指示を出すが、シャワーズは上手く避け続けた。

後少し……！

シャワーズと同様、フィールドを駆け回ったエレキブルの体力も大きく削れたはず。

段々とスピードが落ちてきている。

……まぁ、それはシャワーズも同じだけれど。

シ「……ぬるいな」

『っ！』

不意にシンジが口を開き、そう呟いた。

シ「そんな技、自分の首を絞めているだけだ」

『……どういうことですか？』

エレキブルの動きが止まり、シャワーズもその場で息を整え始める。

シ「水の波動やアクアテールでフィールド中に広がった水。その水を冷凍ビームで凍らせて、先程より頑丈な氷を作らせる……。
何もないところに氷を出すより、液体を凍らせた方が冷凍ビームの威力も上がるからな」

『っ！？』

動揺した顔を隠すように、Aは帽子を深く被り直す。

全部バレてた……？

でも、氷を作る準備は既に整ってる。

後は冷凍ビームを決めるだけ！

だけど……

『……どうして、そこまでわかっていたのに止めようとしなかったんですか？』

純粋に気になった質問をシンジにぶつける。

今までエレキブルにかかった水や、フィールドの水を払おうとする行動は見られなかった。

Aの問いに、シンジは口元を小さく上げた。