時空を越えた奇跡3 (ページ24)

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翼があればページ24

『うぅ…ひっく、ふぇ……！！』

不安定に揺れる体。

真っ暗な町並みへと落ちていく、目から溢れた雫。

捨てられた現実に対しての、悲しみ。

孤独という、恐怖。

そしてそれらの感情を煽るように、黒い闇が私自身を包み込む。

数十分後。

私は足はゆっくりと、地上へとおりた。

辺りは暗く、どこに着いたのかはわからなかった。

私を解放したピジョットは再び飛び上がり、来た方向へと戻っていく。

『っ！ま、待って！！』

主人である、お父さんの元へ帰っていくのだろう。

私の声には振り向きもせず、夜空へと羽ばたいていく。

『私も、連れていってよ！！おいていかないで！！
これから私、一人じゃ……生きていけないよぉ！！！』

私にも、翼があったらいいのに。

お父さんとお母さんの元へ飛んでいける、自由な翼が。

そうしたら……もっと役に立てて、

捨てられなかったかもしれないのに……。

『う……ふぇ……あああああぁぁぁ！！！！』

地べたに座り込み、一人で泣き声をあげた。

いつもの優しい声を聞きたい。

いつもの暖かい手で頭を撫でられたい。

今まで通りの、【家族】でいたかった＿＿＿。

？「外から子供の泣き声が……って、Aちゃん！？」

近くから、聞き覚えのある声がした。

涙でよく見えず、誰かまではわからなかったけれど。

レ母「どうしたの！？こんなところで……Aちゃん！！」

オ「なんじゃなんじゃ、こんな夜に……A！？」

『ああああああああぁぁぁぁぁぁ！！！』

お母さんとは違う、別の手で背中をさすられる。

レ母「どうしたの！？何があったの！！？」

レ「Aッ！！」

グ「おい！しっかりしろ！！」

『おと……さんも、おかあさ……んも………！！
私、捨てられ……やだッ！やだ…いやああああああぁぁぁ！！！』