時空を越えた奇跡3 (ページ19)

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約束ページ19

事の始まりは、あの日からだった。

あの日はそう……久々にお父さんが家に帰ってきた日。

『ねぇねぇ！この写真はなぁに？』

父「これはな、ホウオウって言うジョウト地方のポケモンの塔で……」

お父さんは様々な地方を回っている記者をしていた。

旅や冒険、新しい世界を見て回ることが好きだったお父さんの夢は、有名な記者になってそれぞれの町の良さをたくさんの人に伝えること。

だから家にいないことが多く、帰ってくるのは月に1度あるかどうかだった。

『ふーん…。お父さん！今月はどれくらい家にいれるの？』

父「先月は1度も家に帰れなかったからな……今回は3、4日……長くて1週間はいられるかな？」

『やったぁ！』

母「そうよー？あんまり長く家を空けてると、お母さんいじけちゃうわよ」

父「ハハッ、それは困るなー」

『フフッ』

コンコンッ

レ「Aー？」

グ「まーた寝坊してるのか？」

『あっ！レッドとグリーンの声だ！』

家が近いからか、マサラタウンには子供が私達しかいないからか。

私の家にやってくるレッドとグリーンと共に、朝から遊びにいくのが私の日常だった。

『でも、今日はせっかくお父さんが帰ってきてるのに……』

父「父さんのことはいいから、行っておいで？」

母「ほらほら、レッド君もグリーン君も待ってるんだし！」

『でも……』

父「……じゃあ今度、父さんと母さんとAで、何処かに出かけようか！」

『本当！？』

父「あぁ、約束だ！だから、今日は2人と遊んでおいで？」

『うん！約束！！』

お父さんと交わした指切り。

その約束は、思わぬ形で叶うものとなる。

『じゃあ、行ってきまーす！』

母「あんまり遅くならないうちに帰ってくるのよー」

『はーい！』

レ「早く行こうぜA！」

『うん！……あ、あとグリーン！！私寝坊なんかしてないから！！』

グ「どーだか！お前のいびき、俺の家まで聞こえてくるぜ？」

『なんですってーー！！？グリーンだって夜1人で寝られなくてナナミさんと一緒に寝てるくせに！！』

グ「な、なんでお前そんなこと知って……！？」

レ「うっわ、マジかグリーン！？」

グ「バカ！！ちげぇに決まってんだろ！！」