時空を越えた奇跡3 (ページ17)

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悪夢ページ17

気がつけば、何も見えない闇の中だった。

私の目の前では、薄紫色の髪をした小さな少女が背を向けて立っている。

「待って…やだ、おいて行かないで！！」

いつの間にか少女の前には、ある夫婦の姿があった。

少女は必死に2人に向かって手を伸ばし、走り出す。

「一人にしないで……ッ！やだ、いやだ！！」

しかし、どれだけ走っても夫婦との距離は縮まらない。

どれだけ手を伸ばしても、夫婦に届くことはない。

時間が立つに連れ、少女の言葉が少しずつ変化していく。

「ごめんなさ……もっといい子にするから……！お手伝いも何でもする！！だから……！
ごめんなさい…ごめんなさい……！！」

走り疲れたのか、諦めたのか、あるいは他の理由があってか。

少女は走るのをやめる。

泣き声が止まり、少女はくるりとこちらを振り向く。

少女の蒼い瞳が、私を貫いたように感じた。

少女は私を指差し、その奥に立つ夫婦もゆっくりと腕をあげて私を指差した。

ゆっくりと、3人が口を開く。

「お前(ワタシ)のせいだ」

『っ！！』

勢いよく目を開ける。

暗闇の中、Aは上半身を起こして呼吸を整える。

『はぁ……はぁ……』

段々と目がなれてきて、見覚えのある景色を確認した。

……あれ？

私……ポケモンセンターの部屋に来て……

そのまま寝ちゃったの……？

Aの横でスヤスヤと寝息をたてるコリンク。

隣のベッドには、横になるヒカリとポッチャマの姿が見えた。

『……はぁ』

寝ていたときもずっと被っていたらしい帽子を取り、ベッドの上に置く。

今の時間……23時か。

変な時間に起きちゃったな……。

ベッドの上に転がっていたポケギアを鞄の中に戻し、音をたてないように静かに立ち上がる。

……嫌な夢だった。

この年にもなって悪夢にうなされて起きるなんて……

ヒ「……A？」