時空を越えた奇跡3

立派な ページ15

チリンチリンと鈴を鳴らしながら、A達の周りを駆け回るコリンク。

Aは立ち上がり、その様子を微笑ましげに見ていた。

サ「……結局、俺はこれどうしたらいいんだ？」

タ「とりあえず持っていたらどうだ？何か後で使う時がくるかもしれないし……」

タケシの言葉で、渋々といった感じでサトシは自分の鞄の中に箱をしまった。

確かに……サトシがアクセサリーを使う時なんて、来なさそうだしなぁ……。


ヒ「じゃあ、今日はもうポケモンセンターで休むことにしましょ？」

『うん。ポケモン達も疲れてるだろうしね』

皆でポケモンセンターに向かおうとした時、ふとタイチはその場で足を止めた。

タイチはA達に深く頭を下げる。

ﾀｲ「では、僕はここまでで。皆さん！今日は本当にありがとうございました！！」

『えっ、タイチくん。もう行っちゃうの？』

顔をあげて、はいと元気な返事をするタイチ。

Aの後ろで、ジュンがポケモンセンターを指差しながら言う。

ジ「今日はもう疲れただろ？ポケモンセンターで休んで、明日の朝出発すればいいんじゃねぇの？」

ﾀｲ「はい。でも僕、早く次の町に行きたいんです！早くいろんなものを見て、強くなりたい……！
今日、皆さんのバトルを見て思ったんです。僕もいつか……ポケモン達と一緒に、周りの人も熱くさせられるような最高のバトルをしたいって！！」

両手を握りしめて、いきいきと話すタイチ。

ﾀｲ「Aさん、言ってくれましたよね。【ナエトルを信じよう】って……。

僕、いつか絶対立派なトレーナーになります！！ナエトルや、ポケモン達を信じて……皆と一緒に！」

『タイチくん……』

……本当、何から何までヒビキくんにそっくりだ。

自分の成功や失敗、相手の成功や失敗までもを学んで、強くなっていく。

『そっか。頑張ってね！ナエトルを……ポケモン達を信じて！』

サ「タイチ！今度は俺ともバトルしようぜ！」

ジ「あ！俺も！！」

ヒ「私もしたい！」

タ「俺もだ！」

ﾀｲ「皆さん……」

タイチは嬉しそうに笑い、もう一度頭を下げる。


ﾀｲ「本当に……ありがとうございました！またどこかで会いましょう！！」

最後に眩しいくらいの笑顔を見せると、タイチは次の町へと歩き出していった。


『……こっちこそありがとう。またね、タイチくん！』

写真→←ミサンガ

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