時空を越えた奇跡3 (ページ14)

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ミサンガページ14

Aはしゃがみこむと、優しくコリンクを床に下ろす。

コリンクは暴れるのをやめ、不思議そうにAを見上げた。

ヒ「A？」

自分の鞄を開き、中から小さな小袋を取り出す。

ジ「あーーーッ！！それ、俺が買ってやった……！」

タ「ジュンがAに買った……？」

Aは小袋の中から、青い鈴のついた黄色いミサンガを出した。

ヒカリはグイッと顔を近づけてミサンガを覗き込む。

ヒ「何これ！？とっても可愛い！！」

『うん。これ、昨日ジュンが買ってくれたミサンガなの』

サ「ジュンが？」

クルリと首を回し、ジュンに注目するサトシ達。

ジ「な、なんだよ！金がないって言ってたから、代わりに払っただけだぞ！！？」

ﾀｲ「Aさんにプレゼントをあげたんですね！」

ジ「なっ！！そんなんじゃねぇし！！お前、罰金100万円だ！！！」

顔を真っ赤にするジュンに、クスクスと笑うタイチ。

そして、その様子をムッとした顔でジュンを睨むサトシ。

そんなことには気がつかずに、Aはコリンクの右の前足を手に取った。

『あのブレスレットみたいにペアじゃないし、お揃いにもできないけど……』

コリンクの足首に、Aはミサンガを結びつける。

『このミサンガはね、色によって意味があるんだって。

黄色いミサンガの意味は【奇跡】。

コリンクが、大切な仲間達と会えますように＿＿＿。』

故郷の仲間達と再会して、幸せに暮らせますように＿＿。

そう呟き、Aは最後にコリンクの足を優しく包み込んだ。

しばらくして、Aはソッとコリンクの足から手を離す。

＿＿＿チリン。

辺りに、綺麗な鈴の音が響いた。

『精一杯応援してくれたコリンクに、私からのプレゼントだよ。
……気に入ってくれた？』

コリンクは自分の前足を見つめ、目をキラキラさせる。

すっかり上機嫌になったコリンクは大きく頷き、短い鳴き声をあげた。

ヒ「綺麗な音……！」

タ「よかったな、コリンク！」