時空を越えた奇跡3

ブレスレット ページ12

ヒ「わぁ！」

『綺麗……！』

箱の中に入っていたのは、小さいビーズでできた大きさの違うブレスレットの様なものが2つ。

2つとも、真ん中には1周り程大きく、キラキラと輝くビーズがついている。

ﾀｲ「アクセサリー……ですか？」

サトシはなんとも言えないような表情でそのブレスレットを手に取る。

確かに、いかにも女子がつけそうなものだよね……。

ジ「なんだよなんだよなんだってんだよーー！！これのどこがパートナーとの絆の証を証明するんだよ！！？」

サトシの横でジュンが怒鳴る。

絆の証……

『っ！もしかして……！』

タ「どうかしたのか？」

Aはサトシが持つブレスレットをマジマジと見つめる。

2つのブレスレットの一番大きなビーズには、不思議な模様が描かれていた。

『やっぱり……！』

サ「A？」

『前に聞いたことがあるの。確か何処かの地方では、こんな模様の石をトレーナーとポケモンが両方身に付けて、絆の力を引き出して戦うって……！』

名前は……なんだっけ？

まだデータが少ないって、オーキド博士が言っていたような気がする。

大きいブレスレットと小さいブレスレット。

恐らく、トレーナー用とポケモン用だろう。

ﾀｲ「それってつまり……これをつけて戦えば、サトシさんとピカチュウはもっと強くなれるってことですか！？」

ジ「おおぉ！！なんかすっげーじゃん！！！」

サ「やったぜピカチュウ！！！」

興奮するタイチとジュンとサトシ。

Aは苦笑いを浮かべながら3人に伝える。

『でも、その為には色々条件が必要で……その石だって、すっごく珍しいらしいの。
その地方でもまだあまり知られてなくって、手に入れるのも大変らしいから……本物ではないんじゃないかな？』

Aの言葉で、3人の笑顔が凍りつく。




タ「ってことはつまり……」

ヒ「……ただのアクセサリーってことね」

何処からか吹き込んだすきま風が、私達の間を横切った。

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