【ツイステ】【リレー小説】足りない高校生達の異世界旅行【本編】 (ページ26)

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＊《雨慧紅葉》ページ26

【side.Iroha Amasato】

神様は言った。

「確かに私は神様だけど……そう言う神様じゃないんだよね。

……それに、今のキミ達が今のキミ達のままで居る限りその《足りないもの》はいつまで経っても変わらないよ。
愛されたかった？
生まれてきた家が悪かったね。
ありのままの自分で居たかった？
そうならないのはキミ達でしょ？
ほら。ね？そうとしか言えないし、キミ達の運が悪かったとしか言えない。
私は悪くないよね？
……結局キミ達が悪いんじゃないの？
みんな悪くないかも知れないけど、みんな悪いでしょ。
人間って変わってるよね。自分が正しいって勘違いしてるんだもん。」

『(確かに…なぁ…。)』

浮かべた笑顔はハリボテに過ぎない。

けれどわたしはこれしか知らない。

殴られ、蹴られ、必要とされなかった日々に

いつしか忘れ去っていたものがもしかしたら

ひゅ、と喉が鳴って、肺のあたりに大きな圧迫を感じる。

あ、と思った時には既に足に力が入らず、その場にしゃがみこんでしまった。

酸素が上手く回らない。

なのに、どうして苦しくないのか

『(苦しいって、何だっけ…)』

神様の言う通り、悪いのはわたし自身なのだろう。

暗くなっていく視界の端で、誰かが何かを言っている。

呼吸が出来なくなるのが、自分でもわかった。

異世界でも何でもいい…ただ

『リヒトには…幸せになってほしいな…』