【ツイステ】【リレー小説】足りない高校生達の異世界旅行【本編】 (ページ23)

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＊《マリー・クロー》ページ23

ぼんやりとしてしまう。
周囲にいる人達は反論をしているようだが、そんな気力、一切わかなかった。

「確かに私は神様だけど......そう言う神様じゃないんだよね。」

そんな言葉が耳に届く。
どこか冷たさをはらんだ、自然と背筋が伸びてしまうような声。

「......それに、今のキミ達が今のキミ達のままで居る限りその《足りないもの》は
いつまで経っても変わらないよ。」

足りないものとは何だろうか。
だんだんと、不安になる。何か足りなかっただろうか。

―普通、ではなかった？

怖くなって服の裾を握りしめる。そのまま周囲を見渡せば各々心当たりがあるようで様々な表情を浮かべいた。

「愛されたかった？生まれてきた家が悪かったね。」

愛されていたつもりだ。

「ありのままの自分で居たかった？そうならないのはキミ達でしょ？」

ありのままを振る舞ったつもりだ。

「ほら。ね？そうとしか言えないし、キミ達の運が悪かったとしか言えない。私は悪くないよね？」

運ならば、どうしようもないのかもしれない。

「......結局キミ達が悪いんじゃないの？みんな悪くないかも知れないけど、みんな悪いでしょ。」

そうなのかもしれない。

「人間って変わってるよね。自分が正しいって勘違いしてるんだもん。」

その一言が、鉛のように重くのしかかる。
普通で居たい、だって普通じゃないのは怖い。
なら..........普通って何。

ひゅ、と息をうまく吸い込めなかった音が自分から発したのだと一瞬わからなかった。
見開いた目をカミへと向ける。
カミは一切気にせずに笑っていた。

「...。死んで、カミサマに会って...異世界...。...×××が言っていたヤツでしょうか...」

まるで現実から逃げるみたいに、諦めるように俯き呟いた。