【ツイステ】【リレー小説】足りない高校生達の異世界旅行 【本編】

＊《雨慧紅葉》 ページ18

【side.Iroha Amasato】



夢を、見た。



持病なんてなくて

勉強、運動…全部で1番を取って、両親に愛される自分を遠目から眺めていた。



それは心からの笑顔なんだろうか。

心からの笑顔は、どんなに美しいものだったか。

それ以外の感情を失くしてしまったわたしには、もう分からない。


「父さん…母さん…」


ないものねだりにすがりつくように、わたしは両手を伸ばす。


しかし所詮夢。

あと少しの距離を残して、その幻想は消え去った。




―――――――――

『ん…あれ…？』


ふと目を覚ますと、そこは何処までも真っ白な空間だった。


ぐるりと辺りを見渡しても、視界に入るのは白白白…。



『(リヒト…何処だろう…)』


一緒にあの緑に飲み込まれたはずの親友を探す。


右も左も分からなくなりそうな空間を歩き回っていると、見慣れた背中が見えた。


『リヒト!!』

「あぁ、良かった…発作は起きてない??」

『うん、大丈夫』


いつも通りの会話に少し安心する。

それと同時に、ふとここはどこなのだろうと思い始めた。



リヒトがいた方に目を向ければ、わたし達以外にもたくさんの人がいることに気づく。




その中心に立っている…自称神様は突然に告げた。






君たちには〜＿＿

＿＿異世界に行って貰いま〜す！








『(え？)』


笑顔の裏で、驚きの声が漏れた。

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